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【君の壊れる音(8)】

お待たせ&ずんどこ暗い展開で申し訳ないです;;
(7)続きですーー;;
あとちょっと;;あとちょっとーー;;

抑えつけていた感情

轟音

誰の耳にも届かなかった


な、感じで。
いってらっしゃいませ。


拍手[3回]























途端、響く鈍い音と、剣戟の音。


「陽介…っ…だめだ…っ」


必死に二人?に叫ぶが
どうやら聞こえていないらしい。

夢中なのか、陽介とシャドウは
お互いに斬りかかり、薙ぎ払い
殴りつけ、罵りあう。

最悪の光景だった。

 


『オレはお前でお前はオレで、
  だからお前が使える力はオレも使える』


「く…っるっせーーー!!黙ってろ!」


『でも今のお前にはオレがいないから…
  いつもの便利な力は使えない…わかんだろ?
       バカなお前でもそれくらいはさ…!』


そう言ったシャドウが手をかざすと
辺りからつむじ風の様なものが発生して
陽介へと襲い掛かる。


「遅い!!」


『くそっ…!』


陽介が間一髪の所でシャドウからの攻撃を避けると、
今度は先手を打って、シャドウの頭上にクナイを
振り下ろした。


『遅い!!それこそ当たるかよ!!』


「くそ…っ!」


振り下ろした音が鈍く通るけど、
それをすり抜けるみたいにシャドウが
素早く動いて逃れる。

激しい音と、叫び声と。
混戦といった状態の光景に
俺は茫然とする。

 


「『どっちか生き残った方が本体だ!』」


「陽介…っ」


痛みに霞む意識をなんとか
起こして前を見た。

同時にどうにかしようと体を起こすが、
流石というか、陽介同士の速さに
割ってはいる隙を探すので手一杯だ。


「こんなに早かったのか…」


多分、手加減無しの全力なんだろう。
それくらいお互いを憎悪しているのかもしれない。
早く止めないと。

 

 

『止めるのか?』


「え?………」


引きずるように体を起こすのと同時に
背後から声が聞こえた。

ひやりとする吐き気に似た嫌な感覚を覚えて
反射的に振り向くと、そこには俺が立っていた。

 

『止めていいのか?俺…』


「っ……なん…で………」


信じられない光景に俺は息をのむ。
そこに立っていたのは間違いなく俺だったから。


「俺のシャドウ…なのか?」


『…さあ、もうそんなのどうでもいいじゃないか』


干からびた様な言い方で突き放される。
俺に興味が無いみたいだ。

俺に興味がない?俺のシャドウなのに??
今まで会ったシャドウとは違う。
一体なんなんだ?

今までのシャドウは異常なまでに
自分であることにこだわるのに…これは………。

 


『陽介』


「『え?…悠?』」


「やめろ!陽介に近づくな!」


嫌な予感がして、俺は反射的に叫ぶ。
距離があって気づいていないのか、
近づいてゆく俺のシャドウに
陽介たちが反応し、一旦動きを止めると
振り向いて名前を呼んだ。


『ああ…そうだ、オレだよ…陽介』


それを見て薄く笑うと
俺のシャドウはゆっくりと
右手を掲げて握りしめた。

数枚のアルカナが光って回り、
目の前で見覚えのある何かが弾ける。

 

『ほら見て、陽介…きれいだ…メギドの火が』


「『え?!』」


「な?!っ…やめろぉぉぉ!!」


その瞬間、シャドウが何をするのか分かった。
だってあれは俺だから。

恐ろしい程の陽介への気持ち。
それをシャドウが表現しようとすれば、
もうそれは一つしかない。


この気持ちを受け入れて欲しい。
そして、一つになりたい。
誰よりも近くに居たい。
誰にも取られたくない…独占して閉じ込めて。
ずっと一緒に。


きっとそれしか考えてない。
俺の気持ち…抑えていた感情が歪み
そのまま形を成せばきっとそんな風だと思う。

そして、普段抑えていた直情的な感情に
繋がる行為がこれだとしたら
きっと手加減なんか無いだろう。

全部吐き出して、楽になりたい。
そう思うに決まっている。

 


「陽介…逃げろ!!」


抑えつけていた感情が静かに爆発するみたいに
俺のシャドウが上を見上げて無邪気に笑うと、
赤く鈍色に染まった上空から、
視界を奪うほどの量の閃光が降ってくる。

 


『もういいんだ…何もかも全部が終わりでいいから』

 

笑う俺のシャドウがゆらりと揺れて、
本当の影にように見えた。


俺の声で、俺の姿で、お前と一緒の破滅を願う。
陽介、お前だけには見られたくなかった。
こんな俺が本当の俺だなんて。


そんな気が狂いそうな情景に
俺は言葉だと判別出来ないほど取り乱して
三人に向けて叫ぶ。

でもその声も、堕ちてくる閃光からの
轟音に掻き消えて陽介たちには届かない。

 

 

『許してほしいんだ…陽介、俺を』


夢をみているような顔つきで
つぶやくシャドウは、やっぱり
恐怖を感じるくらいの優しい笑顔と声で。


『もうきっと、出会ったころには戻れないから…』


祝福が降るみたいに、
閃光が俺たち4人を照らして
視界全てを飲み込むみたいに堕ちてくる。

陽介たちが口々に何かを叫んで
飛び退るが、もう間に合わないだろう。

 

「っ………だめだ!やめろぉぉぉ!やめてくれ!!」


あふれる光と空気さえ焼けつくような熱波の中、
俺は俺のシャドウの居る方向へと
飛び出していた。

 

 

『さよなら、陽介…好きだよ』


シャドウは枯れ果てた様な瞳の色で
手のひらを見つめると、そう呟いて笑った。

 


『きっと何度生まれ変わっても…』


そしてそれも、閃光の轟音に掻き消えて
砂みたいに散って跡形も無くなってしまって。

誰の耳にも届かなかった。






It continues to the next





















うおおおお;;センセイしっかりーー;;
な展開で申し訳ないっつーか;;;;
いや;本当に反省してます;;すみません;;(泣)
最初は出すつもりなかったんですけどぉぉ…;;;;
なんでコレ、なんとなーくゲーム準拠で;;
(今更か;オイ;)

実はもっと陽介VS陽介シャドウ戦は、
混戦させる気だったんですが
それじゃどこで〆るのよ?と;;;(オイこら;;)
とゆーか、竹刀とか柔道くらいだったら
どんだけ痛いのとか、避け方とか分かるんですけど;
小刀で切り付けるとかって;;;怖い怖い;;;(蒼白)

さてさて次回どうなるのかー
実はこれからが主題みたいな…;;;
(Σ( ̄□ ̄;)これからぁぁ?!)

楽しんで頂けたら倖い。
次回もお付き合い頂けたら倖い。

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