Polaris
【君の壊れる音(2)】
やっとこさUP;;お待たせしてスミマセン;;(><。)
震える声
無理に笑う
探る目
な、感じで。
いってらっしゃいませ。
声が聞こえた。
震える声だった。
陽介の声だ。
間違えるはずが無い。
震えてる…どうした?
陽介…何泣いてるんだ?
「悠?!悠?!おい!…っ」
目を開けると
薄く白く膜を張ったように写る視界が
陽介だけ写して更に淀む。
なんだ?これは…?
背中には床の冷たい感触と、
どこかに打ち付けたような痛み。
俺の上半身を抱えた陽介が
青い顔して何かを叫んでる。
ああ…俺、倒れたんだな。
背中は確かに痛くて、
先程の吐き気も止んではいないのだけど、
陽介の様子が気になって仕方ない。
「よ…すけ……どう…した?なに…ないてるんだ?」
息苦しくて上手く喋る事が出来ない。
それでも必死にその青い顔に手を伸ばし、
頬に手を触れると、泣きそうだった顔が
更にぐしゃぐしゃに崩れた。
「っ……バカか!お前は!毒食らってんのに
回復無しで走り回るバカ初めてみたぞ!」
「え?毒……?????」
「バカ!バカ!バーーーカ!ふざけんな!どんだけ心配したと…っ」
「……………よくわからないけど…ごめん…陽介」
なんか今度は俺が怒られている。
こんなに馬鹿馬鹿言われるの初めてだ。
そう思ったら、急に可笑しくなって
思わず笑ってしまった。
「っ…何笑ってんだ?!俺は怒ってんだ!」
「陽介…」
「俺のことより自分のこと心配しろよ!リーダーだろ?!
お前が倒れたら誰がみんなを引っ張るんだ?!」
「…………」
「それなのに…っアホ面下げて走り回って…!」
「……………陽介…探してたから…」
「なっ…ホント…アホか…っ」
今度はアホか…なんか今日は散々だな。
そうしている間にもまだ喉元が息苦しい。
でも目の前の陽介は、
俺の為に怒ってくれて、
俺の為に泣いてくれてる。
なんて嬉しいんだと、
酷く歪んだ気持ちが広がった。
「………だよ」
「へ?悠?今、なんつった?」
「なんでもない…」
だめだ…だめだって。
これ以上、おかしな俺に付き合わせて
陽介を困らせたくない。
「悠?…おい…今……っ」
「なんでもない…アイテム…陽介…早めに頼む…」
「あ…悪い…ってゆーか…いつも、
毒ってここまで残ってたっけか?…まぁいいか…」
「…………………」
そう…本当は毒のせいなんかじゃない。
そんなこと分かっていた。
でも、本当のことなんて言える訳が無い。
まさかお前が無事だったことに
安堵して、そのまま倒れてしまったなんて
言える訳が無い。
視線だけ向けると、困惑しながらも
アイテムを漁っている陽介の姿が見えた。
大丈夫、このまま隠せる。
不貞腐れつつも、心配そうな陽介の様子が可愛くて、
苦笑しつつも俺は上半身をゆっくりと起こした。
「ごめん…心配かけて…」
「…悠…?………」
アイテムの使用感が広がるが、
ふらつく感じはなくならなかった。
それはそうだ、毒のせいなどではないのだから。
未だふらつく体を無理矢理に起こして
ゆっくりと立ち上がると、何事も無いふりをして
陽介へと笑いかけた。
「…ごめん」
「ば……っんで謝んだよ…」
「…ん……なんかごめん…探索…続けようか?陽介」
俺が謝ると、陽介はまるで
何かを探るみたいに見つめてきた。
「……続けねーよ」
「ん?…陽介?」
「続けねーって言ってるだろ!」
「陽介?」
声を荒げる。
いつもと違う語気の強さに
俺は息を呑む。
「…っ……今日はもう帰る…」
「………陽介…」
何かを気づいたのか、
明らかに様子のおかしい陽介。
何かが俺達をギリギリの所で掠める。
それでも俺はどうしても隠したくて
その何かを隠すために無理に笑う。
ただ、探るような陽介の目には、
それには、どうしても視線を合わせられなかった。
「もう少し行かないか?レベル上がりそうなんだよ」
「ダメだ」
なんなんだ…これ。
いつもと違うじゃないか。
「とにかく!今日は帰る!行くぞ、悠!」
「陽介……」
踵を返し、歩き出した。
まるで何かに怒っている様な背中に
俺は愕然としながら、拒否出来ない帰還に
俯いたまま後に続いた。
堂島家。
風呂から上がり、濡れた髪の毛を
タオルで拭きながら廊下を歩くと、
居間でTVの音が聞こえ、その方向へと声を掛ける。
「菜々子、もう遅いからそろそろ…」
そう言って居間を見た俺の視線が止まった。
「……なんでいるんだ?」
「…う……」
居間のソファの近く、
所在無さそうに座っている陽介が居た。
どう見ても陽介。
どこから見ても陽介。
多分、引っくり返しても陽介。
……………?????
なんだ?俺は寝る前から
寝ぼけているのか?
「お兄ちゃーーーん」
パタパタと廊下を駆けてくる菜々子に
最大の注意と共に言い聞かせる。
「菜々子、ダメじゃないか。こんな時間にこんなの入れちゃ…」
「こ、こんなの言うなーーーーーーーーーーーーー!!」
深夜に近い時間帯であるというのに、
陽介は人様宅で叫んだ。
It continues to the next…
つ、つ づ い ち ゃ っ た…(土下座)
すみません;;;スミマセン;;すみません;;;;;;
コレ、意外と長くなりそう;;;;
マジですいません;;;
飽きた方はスルーで;;;;;;;;;;;;;;;
書いた後でバッドステータスが戦闘後は
残らないことに気づいたのですが;;いやはや;;
本心を明かさないよう努めている鳴上くんですが、
次回の堂島家ではどうなるやらー…;;;;;;
あはははははは;;;;;;;;;;;(激汗)
( ゜∀゜)=◯)`ν`)・;'.、
楽しんで頂けたら倖い。
次回もお付き合い頂けたら倖い。