Polaris
【魔術師の憂鬱】
血液型占い
知りたい
すげー気になる。
な、感じで。
いってらっしゃいませ。
以下、拍手お礼(該当者様反転推奨)
MCさんへ
いらっしゃいませ!
閲覧ありがとうございます!!<m( _ _ )m>
良かったと言って頂けて、こちらこそ
ありがとうございますです(≧▽≦)
こういうポップ?なのは書いていて楽しいです♪
コメント本当にありがとうございますv
「悠…お前、血液型何型?」
「さあ?なんでしょうか…」
「なんだよ…いいだろー教えてくれたって」
放課後の教室。
他愛も無いことを話すついでに聞いてみた。
いつも自分から自分のことを
話さないお前は、自分のことは話さないクセに
他の人間の色々なことを判っていて
俺は驚くことがある。
まるで涼しげなその目に
全てを見透かされてるみたいで、
すげー驚く…。
「当ててみるか?」
珍しく挑戦的な目。
よっしゃ!それなら当ててやろうじゃん?と
俺は勢い良く悠を指差して言った。
「あ、じゃあ…俺と同じA型!几帳面だし?」
「うーん…どうだろう…と言うか、陽介って几帳面??」
「………っせーな…じゃあ、B型!お前、すげーマイペースだしな!」
「すげーって…一応空気は読むよ…」
「んだよー…じゃあ、O型!協調性あるけど、よくぼんやりしてるし!」
「ぼんやり?がっかり??…」
「っ…じゃあ、二面性のあるAB型とか!」
「そもそも、AB型に二面性があるなんて誰が決めたんだ?」
まったくもってその通り。
ぐうの音も出ない俺に
悠はにやりと笑うと今まで読んでいた
雑誌のページを何気なく捲った。
その聞いてるんだか
聞いてないんだか判らない仕草に
いつも少しだけ不安になる。
お前の中で俺がどれだけ
領域を占めてるのか。
お前にどれだけ俺って人間が
見透かされているのか。
すげー気になる。
「陽介ってさ…そういう占いとか好きそうだよな」
「え?そ、そうか??」
「ああ…なんか可愛いな」
「は?!」
嬉しそうに笑うその仕草に俺は挙動不審になる。
つーか、可愛いってなんなんだよ…
俺がお前を知りたくて聞いているのに、
逆に俺の方が丸裸にされそうで怖い。
何気ない一言にグラグラ揺れる感覚が
体の芯を締め上げて来る。
耳が若干熱い。
「確信なんか無いだろ?占いって」
「いや…そりゃそうだけどよー…」
確信とかそういうんじゃなくて、
ただ…今の俺は…お前が知りたいっつー
正直な欲求だけで出来てる気がする。
占いとかそういうんじゃなくて、
難しいことは無理だけど、
なんかこう…お前の根本が知りたいっつーか。
隠されてる中身を見たい…みたいな。
悠からの言葉に視線を彷徨わせる俺に、
今度は悠からの質問が降ってきた。
「で、こういう話しになったのはなんなんだ?」
「…えっと…………きっかけが欲しい…みたいな?」
「…何の?」
会話の。
なんて、言えないし。
ぼろりと漏れる本音がまるで
紐で繋がれたみたいにスルスルと、
お前の前で展開されそうになる。
ああ…そうか…
他の人間もこうやって
お前に全部明け渡すのか。
「お前…さ…………ずりーよな…」
いつもお前はあまり自分からは喋らないから、
俺はそれが少しだけ不安になる。
退屈させてねーかな…とか。
つーか、俺と居て楽しいか?とか。
色々色々考える。
お前の全部が気になるから
うっかりすると、お前に全て明け渡しそうで怖い。
でも俺から本当のことは言いたくない。
なんか負けた気がするから言いたくない。
ささやかな抵抗なんだけど…。
「……ぜってー言わねー……」
俺が机に突っ伏して唸ると、
悠が少し不貞腐れた様子で言った。
「陽介はケチだな」
「は?!んなワケねーだろ!」
「そうか?」
「そうだよ!つーか、お前の方が
ホントのこととかあんま言わねーじゃん」
ケチなのはどっちだ?
お前がもっと自分のこと言えよ!と俺が言うと、
悠は意外だという表情で俺に返してきた。
「俺、結構陽介には言ってるつもりなんだけど…」
「は?全然言ってねーし!つか、言ってたとしても
全然足りねてーし!俺はもっと、お前が知りたいですーーーー!」
売り言葉に買い言葉的なノリで
俺は立ち上がり叫んだ。
そこまで言った後で、俺はビクリと止まる。
一瞬の沈黙。
あれ?俺…今、なんつった????
あまりのことに石の様に固まった俺が
錆びたブリキの様な動きで顔を上げ悠を見ると、
目の前の悠は口元を手で覆い隠した状態のまま
珍しく視線を彷徨わせ、少しだけ赤い顔をしてる。
「ち、ちちちちちちちち、ちが…っ…そのっ…」
「……………………」
「ままままままま、間違えたっつーか……その…っ」
いや…間違えてない。
すっげー正直に言葉にしちゃいました。
それもこれ以上無いくらいに的確に。
「陽介…」
「ははは、はい…」
上擦る声で返答する。
悠はさっきの状態のまま
ゆっくりと視線を上げると言った。
「ココ……教室だから……みんな居るから」
「?!」
辺りを見回すと、沢山の視線。
一大告白的な内容を
複数のクラスメートに聞かれた…構図。
「☆★●×○■△?!」
「………可愛い…」
深く深く溜息を吐く悠が
傍に居た俺にも聞こえるかどうか
判らないくらいの小さな声で
ぼそりと何かを呟いた。
「ゆ、悠???」
「なんでもない…」
いくらか調子を取り戻したのか、
悠はしれっとした表情に戻り
座ったまま俺へときちんと向き直ると
まるでプロポーズでもするみたいに
真剣な面持ちで言ってきた。
「陽介は、どうやら俺が知りたくて仕方ないみたいだから
今日は陽介に、俺の一日を進呈しようと思う」
「え?え?えっと…み、みんな見てる…って…」
「部活も行かないし、バイトも休む。雨降ってるけど釣りにも行かないし」
「……あ、あの…悠さん?…もしもしー?」
「“だいだら”行きたかったけど、まぁ…明日でもいいし」
困惑する俺の手を取って、優しく微笑む。
それはきっと他の色々な所でも
している仕草なんだろうけど、
今だけは俺だけに向けられていて、
俺はそれがすげー嬉しくて仕方ない。
この際、クラスメート全員に
見られていようと、なんかどうでもいい気がしてくる。
だって、きっと今だけだから。
お前を独り占め出来るのは。
「で、陽介……何しようか?」
柔らかく笑う仕草に煽られる。
その笑顔に頭の中が、
びっくりするくらい明るくなる。
嬉しすぎて言葉に詰まる。
お前の中で俺がどれだけ
領域を占めてるのか。
お前にどれだけ俺って人間が
見透かされているのか。
すげー気になる。
いつもお前はあまり自分からは喋らないから、
俺はそれが少しだけ不安になる。
退屈させてねーかな…とか。
つーか、俺と居て楽しいか?とか。
色々色々考える。
俺はお前がすげー気になる。
でも、それがすげー悔しくて仕方ない。
気になる理由が判ってて、
なんか負けたみたいで悔しい。
「と、とりあえず…………血液型を教えて下さい……」
「陽介…」
でも、今日一日、お前を貰えたから
少しはお前の中身に俺の居場所が
出来てるって思ってもいいよな?
Fin
なんかどこかで書いた気が;;;
と、とりあえず;;;
きっとクラスメートの皆様は
「またやってるよ…」みたいな目線なんだと思います(笑)
楽しんで頂けたら倖い。