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【美しく眠る、その傍で】


またイチャこらですよ・・・(笑)

木陰のベンチって
カップルの絶好の場所だよね!
とゆー言い訳のもとの
お話し…(笑)

いってらっしゃいませ(*´∀`*)ノ

拍手[3回]











「わりい、待たせたな!って…」


鳴上と待ち合わせをした神社のベンチ。
目的の人影を見つけたと思ったら、
待たされた本人は深い寝息を立てていた。

木製のベンチへと寝転がり、
無防備にも…。


「寝ちまってるのか…」


残暑厳しい日だが、
木陰は意外と涼しい。

どうやら待ちながら読書をしていたようで、
左手には文庫本が握られていた。


「悠?」


少しだけ遠慮がちに、声を掛ける。

だが起きる気配は無い。


もう一度その名を呼ぼうかと思ったけれど、
なぜか起こすのが躊躇われて
そのままその傍らに寝転んだ。

見上げると木々の揺らめく姿と
それに反射してきらきらと光る陽の光。

残暑らしく、蝉の声が聞こえるが
いつも感じているよりそれは遠くて、
ぼんやりとそのまま目を閉じる。


『ああ…なんか俺も寝そう…』


隣人の僅かなぬくもりと
木陰の涼しさと。

全てが眠気を誘って、
花村の意識ををウトウトと
揺らす。


「んーー…」


もういっそこのまま寝てしまおうか?と
思ったときだった。

傍らで眠っているはずの
鳴上がゆっくりと身じろぎする。


「悠?」


起きたのか?そう声を掛けようとした時だった。
ゆっくりと寝返りをうつ動作と共に
鳴上の体が花村へと覆いかぶさって来た。


「なっ………!」


二人の体がぴったりと密着する。

鳴上は花村の肩口に顔を埋めて、
気持ちよさそうに寝息を立てる。

それこそ、『添い寝』と
呼んでいいくらいの
ちょっとヤバイくらいの距離。

 

 

 

『待ってぇぇぇ待ってくださーーーい…無理ですーーホント無理ですーーー
    色々と俺の理性とか理性とか…何かが全部吹っ飛びそうですぅぅー』


心の中で叫ぶ、花村。

左側からまるで、すがりつく様に
抱き締められて…なんかもうワケがわかんない。

しかもその体勢が気持ちよすぎて…じゃなくて、
と、とりあえずなんか動けない。

 

「ん…………陽介…っ」


「え?悠?」


やっと起きてくれたのか?と期待したが、
どうやらそれは寝言のようで。

小さく溜息を吐くように、
鳴上は何度も続ける。


「ようすけ……陽介…っ」


「…………」

 

コレは、一体何の罰なんでしょうか?

これはちょっと…いやかなり、
危ないとゆーか…なんとゆーか…。

 

「陽介…っ…」


「っ………」


もうどうか簡便願えないだろうか?
こんなにも切なげに何度も呼ばれたら、
それこそ本当に色々と吹き飛んでしまいそうだ。


「起こしちまうか?…」


そう思うが、あまりにも深く眠っているので、
安易に起こすのはやはり躊躇われた。

疲れているのだろう。

いつだって、先頭に立って
俺たちを導いてくれる。

俺はいつもそれに甘えてしまうけれど、
こんな時くらい休息も必要だ。

 

 

だ け ど…

 

 

「陽介……っ……陽介…」

 

 

 


あああああ!もう無理です!神様!
ホンっト無理!ダメ!もう…!!


何かが色々全部振り切れた瞬間、
花村はぎゅっと目を閉じた。

 

 

 

 


「……陽介???…なんで寝てるんだ?」


「違う!寝てません!…え?」

 

鳴上からのマリンカリンに、
なんか色々と限界だった花村が
一瞬目を閉じた隙にと言ったらアレだが…

花村が再度目を開けると、鳴上が目を覚ましていた。
それも馬乗りになった状態で。

 

「ん?でも…」


「ねねねねねね寝てません!!!!!」


そう言って体を起こそうとするが、
馬乗りになっている鳴上が退く気配も無かった。

 

「えっと…悠…???その…どいてくんない??」


「嫌だ」


すごく見た目だけ爽やかな笑顔で返してくる。

この表情は何度か見たことがある。
とっても危険な笑み。

 

「そ、その…何にもしてないから…っ」


「ん…判ってる…陽介そんなことしないだろうし…」


「はは…だよなーーーー」

 

『したかったけど、出来ませんでした。』
な、ダメな自分を振り返り、軽く自己嫌悪。

小さく溜息を吐いていると、
鳴上の視線に気づく。

馬乗りになったままの鳴上の視線が
花村を見つめたまま動かない。

あれ?なんか怒ってる??

 

 


「…………なんかされても良かったんだけどな…」


「え?え?え?」


「…なんでもない」


ぽそりと落とされた言葉が
花村を酷く動揺させた。

 


「…さて起きようか?」


鳴上が馬乗りになったままで
花村へと手を差し出して、
起き上がらせようとした時だった。

 

「………………………………ダメ」


「陽介?」

 

鳴上から差し出された手を
花村が強く握り返して、
そのまま自分の腕の中へと
鳴上を抱き込んだ。

 

「?!…よ…すけ……?」


「………………っ…」

 

超顔が近い。

灰色がかった瞳がゆらゆら揺れて、
その目で見つめられていることに、
とても切なくなる。

綺麗だよな…ホント。
お前は…本当に。

 

 

いつもとても気になるんだ、
お前には俺はどんな風に写っているんだ?

カッコよくは写っていないだろうけど、
少しは頼れる相棒として
見ていてくれているんだろうか?

出来ればそれ以上に写っていて欲しい…

お前の一番でありたいから。

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ…眠い!!!」


「は?……よ、陽介???」

 

次が続けられなくて。

苦しくて。

花村は思いついた単語を叫んでみた。

 

 

 


俺の馬鹿ぁぁぁーーーーー!!

 


最大の…もしかしたら人生の中で最大級の、
自己嫌悪。


なんか気の利いた言葉を告げたかったのに、
出てきたのは『眠い』の一言だった。


そんなの今時の幼稚園児だって言わない…

 

腕の中の鳴上はあまりのことに
呆気にとられた後、肩を震わせて笑い出した。
それも花村の自己嫌悪に拍車を掛ける。

 

俺、超カッコ悪いじゃんーーーーーー!!

ナニコレ!ナニコレぇぇ!!!

 

 

 

 

「いいんじゃないかな…」


「は?な、ナニガデス???」


大失態を重ねた花村が息も絶え絶えに
鳴上の様子を見る。

鳴上は少しだけ体を起こすと、
小首を傾げて花村を見つめた。

 

「ん…そういうのも好きだよ」

 

鳴上はそう言って、花村の手を取ると
お互いの指を絡ませて、やわく微笑んだ。


それだけで酷く官能的で。

 


「陽介…もう少しだけ眠ろうか?」

 

これ以上無いくらいの甘い笑顔でそう誘われて。
もう頷くしか出来なくて。


多分真っ赤になっているであろう
自分の顔をまっすぐに見つめられて。

“ああ…やっぱりお前にはかなわない”と、
花村は倖せな気持ちで
又、目を閉じた。

 

 

Fin












お疲れ様でしたーーー!
(何度目ーーー;;)


ふう、なんかネタあるって素晴らしい(苦笑)
未だ生ぬるい関係ですが(笑)

つーか高校生男子二人寝転べるって
どんだけデカイ、ベンチなんだ?と
書いてる途中で気づきました(笑)

楽しんで頂けたら倖い。
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