Polaris
【胡蝶の夢】
P4Gのハロウィンイベント後のお話…ねつ造ーーー!みたいな;;
結構なおバカ創作なので;;
お覚悟を;;;;;;;;少し分かり辛いとこ直しましたー;;;;;;;;
シッポ
優しさで出来てる
夢か現か…
な、感じで。
いってらっしゃいませ。
「犬??」
「オオカミです…」
「いや…どう見ても犬だろう?」
「オオカミですううぅぅぅぅ!!」
10月31日。
ハロウィン当日。
ジュネスのガッカリ王子(俺)の
ガッカリな手伝いが終わり、
盛大に謝罪する俺と苦笑いの悠が
TV売り場へと降りてきた。
お詫びに、ジュネス特製弁当を
奢るという約束をしたからだ。
俺用に用意したハロウィン衣装のことを
何気なく話しながら売り場へと着くと
ちょっとした騒ぎになっていた。
騒ぎのするそちらを見ると何やら嫌な予感…
それと同時にTV売り場で
はしゃいでいたクマの声が聞こえた。
そうこうしていると
いつものオーバーアクションで、
すっ転びそうになるとクマは
大勢のお客の中、危うくTVの中へと
リアル・ダイブ………しそうになったのを
俺たち二人で止めに入ると、
嫌な予感が的中したのか、
逆に俺たちがクマの代わりに落ちた。
「って…いってぇぇ…つーか、どこだ? ここ…」
「いつもと違うな…」
「おい! クマークマきちーーどーなってんだー!」
俺が頭上へ向けて呼び掛けると
クマからの返答が返ってきた。
俺たちのリアル・ダイブは、
クマの後ろから落ちたことで
他のお客には見えていなかった様で、
騒ぎが収まると訝しみながらも
お客は別の売り場に移動したそうだ…が。
肝心なのはここから…
どうやらいつも入るTVの隣のTVから
落ちてしまったので少し違う場所へと
落ちてしまったみたいだ。
道理で景色がまるで違う…。
『遠くではなさそうクマよーセンセイーー
クマが行くまで待っててちょーー!』
「俺は無視かー! あのクマぁぁーー!」
周りを見回すと、何か飾り付けの様な
ポップ? やカボチャや何かとりあえず
色々ド派手な飾りが沢山。
あまりに違う辺りの様子に
俺が興味津々できょろきょろしていると、
悠が近寄ってきて
とんでもない一言を言ってきた。
「…………可愛い」
「え? 悠…?」
「これすごい…可愛い…陽介、可愛い…」
「ちょ…な、なに? 悠…?」
呟いた悠の視線の先には俺のシッポ…
って…え? シッポ?!
なにかの発作みたいに
相棒が俺へと抱きついた。
ぐいぐいと離れない雰囲気。
「もふもふしてる…まずい…可愛過ぎる…どうしよう」
「ちょ…お願い! 相棒! 落ち着いて!!
つーか、なんで尻尾ついてんだ?! しかも俺だけ!」
「まぁ…ハロウィンだし?」
「納得すんな! そして馴染むな!
あああぁぁぁ! なんなんだ!こりゃ…」
『ふーむ…たぶん、ハロウィンのお祭り気分が関係してるクマねー
みんなのハロウィンの陽気に誘われたシャドウが……』
まだTVの前にいるのか…クマの声が
こだまして聞こえた来た。
シャドウっておいおい…
よくよく見てみると、やっぱりシッポが生えている。
どうやら・なぜか・理由は全く分からないけれど…
俺用のハロウィン衣装のオオカミ男の
シッポがそのまま俺の臀部にくっついたみたいだった。
ホント、理由はわかんねーけど…
「なんでもシャドウか! うああああ…そしてなんで俺だけ!」
『それは多分…ヨースケの運が一番低いからーークマ!』
「るっせ! るっせ! るっせーー!! 悪かったな! 不運属性で!
いわゆるこれもバステ?! ああああぁぁぁ…もうなんなんだ…」
「俺の運が高いことも関係してるのかも…」
「は? …なんで??」
何を思ったのか、相棒が瞳を輝かせながら
力説し始めた。
再び嫌な予感がする……
ぐっと拳を握る姿は超男前……
なのに、口から出た言葉はさっきよりも
更にとんでもない言葉だった。
「可愛い…とにかく可愛い………食べたい」
「んな?! …あ、アホかーー! ちょ…来るな! さわるな!」
「俺、常々…陽介はどっちかっていうと犬だと…」
「そんな妄想いりませんーー! ってゆーか、
コレはオオカミだって言ってんだろーーが!!」
TVの中にこだまする俺の声。
押し倒された俺は、180近くある
相棒から逃れるために必死に体をばたつかせた。
「じゃあ、色々試してみるか?」
ひとしきり揉めに揉めて…
俺が辛うじて勝利すると
今度はこの事態を打開しようという話になった。
良かった…相棒に少しの良心が残っていて…
いや、そーじゃなくて…
「ちょ…今、お前が装備してんの『アリス』だろ?! 俺、ヤだかんな!」
そういうと、速攻でペルソナ召喚の格好を取る
相棒を俺は必死で止めた。
悠は先日合体で作成したばかりのペルソナを
誇らしげに掲げると言った。
「大丈夫だよ…反魂香は持ってるから」
「大丈夫じゃねー! そういう意味じゃねーよ!
つーか、お前ソレ作ってから『死んでくれる?』一択じゃねーか!」
「『ムド成功率UP』ついております…」
「うやうやしくすんな! つか、いつの間に執事服なんだ?!」
「まぁ、『アリス』だし…気分出そうかと?
それに、俺も陽介に負けないように仮装をと」
「そんな余計な気遣いいらないんですううぅぅぅ!
それより真面目にコレ戻す方法考えてくれよ!」
もうどこまでこの会話は続くんだ?
シッポ付きの俺に夢中? な
相棒は俺からの言葉にふとなにかを思い出したように
目を見開くと、ニヤリと悪い笑顔を作った。
「落ちた時、キスしたよな?」
「は? ……はははははははは??
な、なんのこと? ちょ…おま…っ」
実はあえて触れていないことがあった。
そう…さっき二人一緒に落ちた時に、
ちゅー…を…したんですよ…
ぶつかるみたいな感覚だったけど、
確かにあれはちゅーでした……………
そして気づいたら、コレ…着いてました…みたいな。
「だから、キスすれば治るかも?」
「ば、バカ! こんなトコで二回も出来るかー!」
真っ赤になって俺は拒否するけど
なんでかノリノリの相棒は
どんどんこっちへ近寄ってくる、
なんかもう、この執事怖い…
「大丈夫だよ、二人きりなんだし…
キスすればたちまち元通り~~に?」
「なりません! ぜえぇぇぇったいなりません!!」
「じゃあ、キスよりもっとすごいことしようか? 陽介?」
「お、おま……俺の話しを聞けえぇぇ!」
俺が叫ぶと、悠はまた笑った
いつもこんな調子。
俺ばっか、からかわれたりしてる気がする。
本気でやってんのか? それ? と
問い詰めたくなる。
「お、おま…いつもそればっかだ…っ」
「陽介?」
「からかってんのか? それとも本気なのか?」
だって、俺たちはさ……一応、恋人って
ヤツのはずなのに…
俺だけがお前からの熱に
ゆだってしまっているようで釈然としない。
俺たちの砂糖菓子みたいな甘くても
酷く脆い感じのする関係性を思うと、
俺は軽く頭を抱えた。
そんな俺を見て悠は視線を落とすと
ぼそりと、聞こえるか聞こえないかの
小さな声で呟いた。
「そんなの本気に決まってる…」
「悠…?」
目の前の悠を見ながら
ぐっと堪えた俺を見て、
逆に悠は何かに気付いたのか
ふといつもの柔らかい笑顔に戻ると
俺の頭を撫でていった。
「陽介はさ、いつも難しく考えすぎなんだよ…」
「そ、そうか?」
「うん…もっと自由に考えたらいいと思う」
「そ、そんな自由とかって一番難しいじゃねーか」
「そうか? …俺はお前は何よりも自由になれると思うし
何より誰よりも優しいじゃないか」
「悠……」
優しいなんて付加価値に
俺はそれほど価値を見い出せない。
とゆーか、俺が優しいならお前を守れるのか?
お前と対等でいられるのか?
そんなつまんねーことばっかり考えるから。
だから俺は俺が嫌になる。
お前が言う優しい俺は、もしかしたら、
なんの価値もないものみたく思えてしまう。
お前って言う、俺が一番欲しい特別な存在に
選んで貰えているのに。
俺はどんどん欲張りになっていってる気がするんだ…
「強くなければ生きられないけど、
優しくないと生きる権利はないと…お前を見てるとそう思う」
「悠…俺………」
「俺はそう思うよ? 陽介を見てたら余計に」
仙人が霞を食べて生きるなら、
きっと陽介は優しさを食べて生きてるんだ…とか
そんな甘ったるいこと平気で言う。
どっかの頭痛薬か俺は…。
でもそんなことを言われるのが
嬉しい俺がいる。
特にお前から言われるのが嬉しい。
もっと自由に…か。
欲張りな俺が、お前と並んで歩けるように。
俺の優しさでお前が笑ってくれるなら、
もうそれでいい気がしてくる。
ホント、俺は欲張りに出来てる。
「運が悪いのだって、もしかしたら
誰かの不運を貰ってやってるのかもな?」
「は? えええええ? そんなんあるのか…?」
「あるかもな…だって陽介は優しいから…」
もしかしたら俺の不運を食べているのかも?
なんてお前は笑顔で言う。
あはは…そうか、そういう考え方もあるのか…
ま、まぁ…シッポはどうか?と思うけど。
お前からの言葉に
俺は苦笑いすると俺を見つめる
悠を正面から見た。
ああ…やっぱ…好きだなーと
思う。
なんかもう、これ以上ないくらいに。
お前が好きだと思う…本当に。
「そんな陽介が俺は好きだよ?」
「ば、バカか……」
頭の中身を読まれた?と疑ってしまうくらい
突然の言葉に俺は狼狽えるけど、
やっぱり嬉しくてニヤける顔を隠せない。
つーか、俺のヘマ? 運の悪さ? でこうなっちまってるのに
そんなこと言ってくれるお前の中身の方が
優しさってヤツで出来てるんじゃねーかと
俺は思うんだ。
お前がどこまでも許してくれるから、
だから俺は優しくいられるんじゃないか?って
そう思うんだよ…相棒。
「うん、だから陽介はもっと肩の力を抜いて…」
「え? あ………う、うん…肩の力を抜いて…」
「そうそう、で………………俺に身を任せる」
「うんうん…お前に身をって…
う、うわあああ…ちょ…待てえぇぇっ!!」
だ、だまされた?!
つーか、デジャブ?! とか思った瞬間。
俺は相棒に押し倒されてて
今度こそ身動きも取れないまま組し抱かれた。
「可愛いよ…陽介」
俺が最後に見たのは甘ったるい相棒の笑顔と、
ギラギラしたハロウィン飾りと。
なんか色々、甘ったるい感覚だった。
「とゆー夢を見ました……」
「陽介…」
「は、はい…」
秋の日の午後の堂島家の…
悠の部屋で。
例のハロウィンイベントでの
大失敗の後、悠の部屋へと
来ていた俺はどうやら眠ってしまっていたようで。
人様の部屋でのほほんと寝こけていた俺が
突然叫び声を上げて起き上がったのが数分前。
ん? なんか体が痛い? ん? 寝違えたか?
そんなことを考えながらも
事の顛末?を話すと、不思議そうな顔をした悠が
俺を覗き込み小首を傾げつつ聞いてきた。
「それは『して!』って催促?」
「んなワケねーだろ!!」
話せ話せと問い詰めるから
仕方なく話したのにこれだ…。
悠は元いた場所へと座りなおすと、
ニヤニヤと俺を視線だけで見る。
その仕草がどうにも甘ったるいとゆーか。
それはあの夢での甘ったるい笑顔と
まったく同じだったから、
俺はたまらず視線を逸らすと、
悠は手に持った雑誌をテーブルへと置くと
薄く笑って言った。
「そうか…ならご期待に応えないとな?」
「だ、だからちげーって!」
「まぁ…ちょうど陽介にシッポも生えていることだし?」
「だ、だからって! ……え? シッポ? え?」
咄嗟に見ると…確かにシッポ…あれ?
ふさふさした、オオカミのシッポ。
あれ?夢…じゃない?
うお?! い、いつの間にか
装着されてる!! ってゆーか、
俺が寝こけている間に取り付けたっぽい…
い、悪戯?? え? ハロウィンだから??
・
・
・
悠…俺、たまにお前が読めないです…
目の前の悪戯の張本人は
やっぱり甘ったるい笑顔でいて。
俺に向かってにじり寄って
来ている真っ最中だった。
「うんうん…可愛いよ、陽介」
「ちょ…待っ……」
「とりあえずは、陽介は俺に身を任せる所から始めようか?」
「身を任せ…って、えっ? ………ま、待っ……
まさか、夢じゃない夢みたいな?! えぇぇ?」
にじり寄ってくる悠の手が
俺までたどり着くと、
頬を撫でて滑った。
そしてやっぱり甘ったるい笑顔で
俺を見て笑う。
それを見て、今日はもうきっと逆らえないだろうと
覚悟をして、俺は胸いっぱいに
空気を吸い込むと、心の中でつぶやいた。
どこから夢でどこから現実なのか。
つーか、これって夢の続き??
いやいや、まさかな……な? な??
うん…まさかな?? な???
「一人で寝こけて、俺は独りにした罪は重い…です。」
「え? は?? 悠…??」
「“優しい陽介”に責任とってもらわないとな?」
そしてやっぱり、
甘ったるいあの笑顔で俺に笑いかける。
優しい俺? え? えっと…
夢? 現実??
とりあえず…それは全部終わってから。
「せ、責任……??」
「うん、責任取って?」
夢か現か…この砂糖菓子より
甘ったるい笑顔で俺に笑いかける
寂しがり屋で俺に甘い相棒に
この後、改めて聞いてみようと思う。
Fin
夢が現か…は、皆様のお好きな方で。(笑)
とゆーわけで、ハロウィン創作でしたー
つーか、こっちへのUPがまったく間に合ってないーー;;
すみません;;タッチの差でUPされちゃったので
この創作はピクシブに先行UPされてます;;
まぁ…色々と言いたいことはあるんだけんども;;
さっぱり意味の分からない創作になったなーと;;;
陽介に色々とぐるぐる考えさせたいんだなと;
達観してるまる…(なんじゃいそりゃ;)
楽しんで頂けたら幸い。