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【一緒に食べよう】

バレンタイン創作ー【鳴花】


手作り

いつか

来年も


な、感じで。
いってらっしゃいませ。



以下、拍手お礼~(該当者様反転推奨)


arisaさんへ

わーーい(*´∀`*)ノいらっしゃいませvvvv
長くてすみません;;;;;;
詰め込んだらあんな長く;;;;
そうそう(*´∀`*)ノ
あの二人、もう付き合っちゃえよーみたいな(笑)
陽介だけが分かる番長の変化とか…色々(笑)

そして、そして…一緒に腐っちゃいますか!(笑)
私、もうまっしぐらです…(苦笑)
これからも頑張りますね!
コメントありがとうございました<m( _ _ )m>

拍手[2回]



















「うおっ!!あ…やっちまった…」


「………陽介」

 

溜息を吐く鳴上。

先程までテーブルに置かれていた小麦粉が少量だが
派手に床へと散乱している。

 

「どうやったら、近づくだけで引っくり返すなんて出来るんだ?」


「すみません………」


鳴上は溜息混じりに、散乱している小麦粉を綺麗に片すと、
じろりとこちらを見つつ言った。

 

「頼むから陽介はそこで大人しく大人しく大人しく…しててくれ」


「三回言うな…判ったから…」

 

次、引っくり返したらただじゃ済まさないぞ?的な視線。
分かってます分かってますよ、大人しくしてますよ…。


今日は2月14日。
日本人なら誰でも知ってる
バレンタイン・デー当日。

言わずもがな相棒は朝からモテモテで
沢山の女子からチョコレートという
好意を受け取っていた。

そのことに少々…いや…かなりこう複雑な
思いが飛び交ったりしたけど、
昨日ジュネスでバレンタインの材料を買った相棒と
放課後の約束がしてあったからぐっと我慢。

決して相棒お手製の菓子に釣られたワケじゃない…
……と、思いたい。

 


「まぁ、お前は料理の腕もオカン級ですからー期待してますよー」


「まったく…とゆーか、こういうのって
      中身って見せないものなんじゃないのか?」


「あーまぁそうなのかもな」


これでは作っている様子が丸見えで、
何か分かってしまうじゃないかという口ぶり。

一緒に行った買い物の最中に何がいい?と
唐突に聞かれたので、咄嗟に『腹に溜まるもの』と答えた俺。

まぁ…デリカシー無い!って、その後怒られたけど…。

 

話しながらも手際良く作業を続ける相棒の姿を、
頬杖をつきながらぼんやり見つめる。

堂島家の台所には
菓子の材料が所狭しと並べられていた。


何やら小麦粉?を振るって何かしてる。
あ…なんかココアとか書いた袋がある。

あれでココア飲めんのかな…


へーーーー。

 

 

 

 

 

「陽介……」


いつの間にか近づいてしまっていた
俺をたしなめる悠。


「じっとしてろって言っただろ?」


「え?ああ…悪ぃ…ちょっとだけ!な?」


「ダメ…ほら邪魔だから」


「少しくらいいいだろー」


まるで子供をあやす様に悠が
俺を強制的に居間の座敷の上へと促した。


「お菓子は分量が少しでも違うと
    膨らまなかったりするんだよ。だから触らない…」


「へーーー」


強制的に座らされた座布団の上で、
俺がごろごろし始めると、悠は苦笑しながら聞いてきた。

 

「陽介って、子供の頃、台所で悪戯して怒られてたタイプだろ?」


「ばっ………そんなことねぇよ…」


「なんで自信なさそうに言うんだよ」

 

にやりと笑って返してくる。

子供の頃、確かにそんな記憶があるなんてことは
絶対言ってやらない。


そうこしているウチに
話しは元に戻って、普通は中身を言うか
言わないかの話になった。

 

「俺は一方的に貰ったことしかないから、よく分からないけど…」


「何?密かに自慢ですか?」

 

母親からしか貰った事の無い俺には
ちょっと痛い言葉。

ムッとした俺の言葉に
小さな溜息を吐きながら呆れるように悠が言った。

 

「…陽介が欲しいって言うから作ってるのにな…」


「は?!誰が?!」


「じゃあ、止める?」

 

悪戯っぽい目線で可否を促すお前の仕草に、
俺は一瞬目を逸らした。

 

 

「………………続き、お願いします」


「素直でよろしい」

 

にやりと笑う。
ああ…また負けてしまった。

まぁ…お前ならいいけどさ。

 

「本当はさ、飴とかでもいいかと思ってたんだけど」


「え?飴ってホワイトデーとかじゃねえの?」


「外国じゃチョコレートの箱を、
       キャンディボックスって言うらしい」


「へーー」

 

「例えば喉飴とかさ…」と呟く悠が、
暖めたバターとココア?をかき混ぜると、
濃厚な匂いがしてきてビックリする。

その動作に見入りながら聞いていると、
悠はなんでもないように答えてきた。

 

「まぁ…飴とか本当に作ったら手の皮がボロボロになって、
                  すごいことになるだろうけど…」


「いいですっ!!普通のチョコレートでお願いします!」


「そうか?来年とかは折角だから飴とかでも…」


「いやだから、お前の手がボロボロになるようなことは…って
              来年?え?ウソ?!来年もくれるのか?」

 

俺から発せられた言葉に、悠の動きが止まる。

 


「……………………」


「へ?」


「陽介は俺とのことは今年限りにしたいんだな?
           そうか…俺は弄ばれているのか…」


「ち、違っ…誰がそんなこと言った!!」


「陽介が言った」


「笑顔で言うな!言ってねえ!!」

 

笑いながらも何事も無かった様に作業を続ける悠に
俺は立ち上り、駆け寄るとビシっと指差して宣言した。

 

「来年も、そのまた来年も、ずーーーーーーと、
           もれなく貰うからな!覚悟しとけ!!」


「何?その尊大を装った、逃げ腰発言は…
     ずっと貰うだけの受身って…しかも色気無いし…………」


「ううううううぅぅぅぅぅるさいっ」

 

だめだ…勝てる気がしない…。

悠が白い泡のようなものとチョコレートを
混ぜながら続けて答える。

淡雪みたいなその中身に興味津々だったけど、
今は相棒の答えの方が気になった。

 


「まぁいいか……陽介は陽介らしく、そのまま口あけて待ってろ」


「ぬ…なんだそれ…」

 

まるで犬扱いじゃないか。
ちょっとだけムッとした俺に悠は口の端でだけ笑うと
まるでなんでもないかの様に返してきた。

 

「だって、お前の為だけに作ってるんだから」

 

そういった言葉がびっくりする位、俺に響いた。
俺の為だけだなんて、なんかもう
これ以上無いくらいの口説き文句だな。

その言葉に俺は、みっともないくらいに口を開けて
聞き入ってしまっていた。

 

「ん?なんだ?本当に口開けて待ってるってことは
       もしかして、口移しとか狙ってるのか?」


「違う!!」

 

悪い顔して笑う。
いつもこう。

負けた感を拭おうと、
俺はワザと話題を変えてみた。

 

「お返しさ…何がいい?」


「え?ああ…3月14日に??……うーーん、無いな」


「は?無いって…」


「…………無い…これといって欲しいものも無いし。」

 

3月14日と言った悠の言葉に
なぜかちくりと胸が痛んだ。
なんだ?


「……?」


無い?本当に?先程の違和感が胸にシミを作りながらも、
何度か問い掛けてみた。

けれど、同じ答えしか返ってはこなくて…
俺は期待されていないのか?と
密やかに凹みつつも、今回ばかりは食い下がった。

 

「俺に、して欲しいコトとかないのかよ?」


「して欲しいこと??陽介に?して欲しい…して欲しい…こと………」


「いや…俺が悪かったから…前言撤回で…是非物品でお願いします」

 

軽く身の危険を感じた俺は即座に前言を撤回し、
相棒へ別項目を促した。
ああ…ダメな俺です………。

凹んだ俺を察したのか、
悠は笑いながら返して来た。

 

「じゃあ………陽介で」


「は?!またそれかよ!!」


「そう、陽介で……ちなみに“今欲しい”って言ったら可能?」

 

笑っている筈なのに、なぜか反比例してゆらゆら揺れる瞳の色に
少しの違和感を感じながら、俺は即答した。

 

「ふ、不可能です!!俺は物品じゃありません!」


「ふーーーーーん…」


「な、なんだよ…」


「別に」

 

この甲斐性なし!と笑顔と
視線でなじられた…くっそー…
でもなんか…やっぱり、ちょっといつもと違う気がする。

 

「悠…」


「ん?」


「………なんか言いたいことは?」


ちょっとした勘ってヤツ。
声に漏れたわけでもなんでもないけれど
やっぱり…なんか微妙に余裕が無い様な気がした。

地に足が着いてない様な…………


俺からのテキトー過ぎる質問に
悠はまるで落とすみたいに
苦笑しながら呟いた。

 

 

「まぁ、終業式なんてすぐだから…」


「え?…あ………そっか…………」


そうか…そうだった。
今は2月14日で……お前を見送る日は…。

多分、この呟きは俺を少しだけ試したんだと感づいた。
そうでなければ、ただ単に本音が漏れただけか…。

前者なんだと…そう思う。

 

 

「何?やっぱり今、くれるのか?」

 

隠そうとしたのか、誤魔化そうとしたのか
そう言って悠がいつも通り意地悪い顔をして
笑った様な気がしたけれど、
その中には確かな寂しさが混じっていて、
今の俺がそれを見逃してやるハズがなかった。

 

「……やる」


「は?」


「やっぱり今、やる。だから悠………そんな顔すんな」


「陽介……」


目を見開いてこちらを見ている。
ダダ漏れだ。
分からないと思うなよ?

 

「ダダ漏れだ…バーーーカ…」


「…っ…分かってるなら……それでいい…」


俺の言葉に悠はぐっと眉間を詰めたかと思うと、
ふと、まるで力を抜くみたいに、
それを緩めて寂しげに微笑んだ。

ああ…その顔も好きだな…本当にそう思う。

 

「……で、何してくれるんだ?」


「とりあえずはソレを一緒に食べる」


「…………なんだそれ…」


まるで崩れるみたいに笑った。
今度は柔らかくて優しい笑顔。

さっきも好きだけど、本当はこっちの
笑顔の方が万倍好きだ。

 

「で…………今日はお前…悠が俺に飽きるまで一緒に居る」


「…だめだな………企画倒れだ」


「え?」


「俺がお前に飽きるはずがない。
     それじゃ一生帰れなくなるぞ?陽介」


「っ……バカか………」


にやりと笑うお前に、
俺はぐっと視線に力を込めた。
望むところだ。

たとえ明日が平日だろうが休日だろうが、
何があろうが、お前が帰れって言うまで居てやる。


もう本当に俺たちには時間はないけれど、
それくらいの時間は割けるはずだろ?

 

そうこうしているウチに、入れておいた菓子が膨らみ、
オーブンが終了の汽笛を鳴らした。

悠が慣れた手つきでその扉を開けると、
甘ったるい匂いがしてきた。

 

「じゃあ、まず初めてのバレンタインだな…」


「へ????」

 

俺たちの時間はあと少し。
でも別れじゃなくて始まりだから。


「来年もそのまた来年も…ずっと貰い続けてくれるんだろ?
 陽介がいらないって言うまで…俺、作り続けるから…覚悟しとけよ?」


そう言ったお前の笑顔が眩しくて。

 


「バカか…いらないなんて言うわけねー」


俺も同じように笑い返した。

 

いつか来てしまうその日に…
笑顔でお前を見送れる様に。

許される限りは俺の時間をそっくり渡すから
どうか今だけは、俺の為だけに笑って。


Fin















結局上手く纏まらず;;
すごい長くてすみません;;;

お疲れ様でした;;

つーわけで、ハッピーバレンタイン!(*´∀`*)ノ

楽しんで頂けたら倖い。
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