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【君以外はいらないのに】

すごい…酷いセンセイがいます;;;す、すみません;;
ピュアブラックなセンセイが結構酷い;;
※こちらはピクシブに先にUPしております~

変わろう

手を引いてくれた

隣にある為に

な、感じで。
いってらっしゃいませ。

拍手[2回]










 

世の中には煩わしいことが
多すぎて。

時々、ソレにめまいがして
立ち止まるんだけど、
ここ八十稲羽に来てからは
俺が立ち止まると必ず手を引いてくれる
か細い手があった。

 


「おい、悠」

「ん? なに? 陽介」

「ここ…眉間にシワ寄ってる」


指差された箇所には
確かに深いシワが刻まれていて。

俺は咄嗟に手で隠した。

陽介はしてやったりといった感じで
ニヤリと俺の真似をして笑うんだけど
その笑みは俺がするよりも幾分か愛らしい雰囲気で
ムっとするよりかは、逆に笑ってしまった。


「な、なんだよー」

「いや…別に」


俺の反応が意外だったんだろう。
今度は陽介の方がムっとして俺を見た。


「なにもないよ、ただ…」

「ただ?」

「ん……なんだろう」


窓の外を見て唸る。
例え様のない感覚に
振り回されるのはいつものこと。

繊細だと言ってしまえば
簡単なんだろうけど、
それでは些か情けなさすぎる。

 

「ん……なんだろうな」

「…なんだそれ…意味わかんねー…」


ココに来てから、俺が立ち止まると
手を引いてくれた本人が不思議そうに、
それでいて心配そうに覗き込む様子が見えるから
実の所はすごく嬉しいのだけれど
それが透けて見えてしまうのが怖くて。

俺は咄嗟に全部を隠した。

すると、一秒すら無いほどの
瞬間に俺の前頭部を叩く音が聞こえて、
一瞬遅れて痛覚が降ってくる。


「っ…痛っ……陽介?」

「んだよ! ずりーじゃん! それ…」

「陽介?」

「ずりーよ…それ…」


俺の様子に、陽介は悔しそうにすると
机へと突っ伏して、俺に聞こえない様に
だろう仕草で呟いた。

 

「何にも言ってくんねーのかよ…」

「陽介…」


でも、聞こえてる。
俺がお前の言葉を
聞き逃すはずがないから。

めったに見せないような渋い顔つきで、
今度は陽介が眉間に深いシワを刻む番。

苦しそうに机へと突っ伏したまま地団駄を踏む様子に
どうしようもない愛しさを感じて
俺は呼ばれるみたいにその頭を撫でた。


「へ? な、なに?」

「……なんだろう…うん…でも、ありがとう」

「は??」

「なんてな…」


嘘。

心配してくれてありがとう。

いてくれてありがとう。

手を引いてくれてありがとう。

いまの俺はもしかしたら、
お前以外はいらないのかもしれない。

俺の手を引いてくれる
その細い手がいつだって
どんなに誠実でいてくれるか。

その誠実さが、
俺を支えてくれているんだってことに
お前は気づいていないから
だから俺はお前のためなら、
お前を守るためなら、どんなことでもしようと思う。

だからお前が心配してくれる俺自身が
お前が悲しまない存在であり続ける為に
俺は変わろうと思うんだ。


「陽介」

「ん? なに?」


俺が呼ぶと、花が息づくみたいに
微笑むから俺はまた嬉しくなる。


心配してくれたり。

笑ってくれたり。

一緒にいてくれたり。

そんな色々にありがとう。

 


「好きだよ、陽介」

「な?! ば、バカ…っ」

「んー…本当なんだけどな…」


俺からの言葉に真っ赤になる
陽介の様子を見て満足するなんて
とんでもなく底意地が悪いというか。

色々、最低というか…。

人としてどうなんだろう?とか。
それこそお前に関すると色々考える。

もしかしたら、お前の隣にあるために人として
形を成そうとしているのかもしれない。
それはとても滑稽だと思うけれど。


「う、嘘だなんて言ってねーよ…」

「そうか、良かった」

「お、おう…?」


そういって隠すように嬉しそうに笑ったお前を
俺が見逃すはずもなくて。


『好きだよ…陽介』


もう一度心の中で囁く。

 


お前以外はいらないのに。

引いてくれる手が愛しくて、
大切で手放したくないから。

お前が俺から離れていかないように
どうにか上手く口説けないか…と、そればかり考える。

好きだ、好きだと囁くくらいなら
いらないと言われるまでいくらでも。

キスがダメなら、どう触れれば
満足してくれる?

そんなことばかり俺がぐるぐると
考えていることをお前は知らない。

 

「知らぬが仏だな…」

「は? な、なんだよ?」


俺はいつも通りニヤリと笑うと、
その癖の強いオレンジがかった
髪の毛をくしゃくしゃに撫でまわす。

俺からの攻撃に陽介が
反撃しようと身を乗り出すから
出された手を掴んで引き寄せると
ついばむみたいにキスをした。


「ちょ…お、おま……」

「ん…陽介のにおいがした」


好きだ、好きだと囁くくらいなら
いらないと言われるまでいくらでも。

キスがダメなら、どう触れれば
満足してくれる?

そんなことばかり俺がぐるぐると
考えていることをお前は知らない。

実のところ、俺が始終そんなことしか
考えていないだなんてお前はきっと知らないんだ。

俺は本当に、どうしようもない。

 

「に、においってなんだよ…」

「んー……汗のにおいか??」

「は?! わ、悪かったな! 汗くさくて!!」


においどころか、視界の全てでさえも
お前以外はいらないのに。

でも、お前以外のことが
お前と一緒にいるには必要だと
気づかせてくれたのもお前だから。


「くさくはないよ、陽介のにおいだし」

「だ、だから…それなんだっつーの! 汗くせーんだろ?」


騒ぐ陽介を少しだけ強引に引き寄せると
後ろから抱えるように抱きしめた。

騒ぐ陽介がソレをすると
まるで凍った様に固まるから
俺はおかしくて仕方ない。


「陽介のにおいだ…」


それは酷く幸せな香り。

胸いっぱいに嗅ぐと
嬉しくて幸せで泣きたくなる。


「お、おま…ここどこだと…」

「んー学校の教室だな…誰もいないし、大丈夫なんじゃないか?」


もう一度『好きだよ』と囁くと
お前は前を向いたまま小さく頷いてくれるから
俺はどうしようもなく嬉しくなる。

 

お前以外はいらないんだ。

でも、お前が存在するには
お前以外が必要だと思い知らされたから。

だから、お前以外も
大切にしてみようと思う。

そういう風に変わろうと思う。

 

 

「陽介…欲しい」

「ば、バカ…っ……最低だ…お前…っ」

「はいはい…」


囁くといつもの返答。

俺はそれが嬉しくて
またニヤリと笑って返す。


お前以外はいらないけど、
お前以外もきっと何か意味があるから
だから俺はお前が愛したその他ごと、
全部丸ごと愛してみようと思う。

全部、丸ごと愛してみて
俺が万が一、今とは全く違う
他の何かに変わってしまったとしても
お前だけはきっと変わらないと
断言出来るから。

だから毎日色々なことに、目を向けてみようと思うんだ。

お前が感じる空気や気持ちや色々
雑多なその何かを、俺は愛してみようと思う。

俺が立ち止まると必ず手を引いてくれる
か細い手が俺をここまで導いてくれたから。

 

「ゆ、悠…お、俺もだな…その……」

「はいはい…いいよ、無理しなくて」

「だーーー! 無理じゃねーし!
  つーか対等じゃねーじゃん! これじゃあ…」


俺ばっかりが嬉しいみたいだなんて
それこそ、その言葉だけで嬉しいのに。

そんな嬉しいこといってくれるお前が
なんだか俺に向かって必死だから
俺はまた嬉しくなって目を閉じて
お前のにおいを胸いっぱいに吸いながら言う。


「そうか…じゃあ、どうぞ」

「お、おう……っ…う…うぇ…ええと…」


口の中でモゴモゴする…そんな陽介がおかしくて、
俺は笑いそうになるから、それをなんとか
ぐっとこらえようと力を入れたら
逆に噴き出してしまった。

陽介がくるりと踵を返して、
俺へと向き直ると言う。


「わ、笑うなーー!」

「ほら、早く…誰か来るかもしれないぞ?」

「お前は…ぜってー俺で遊んでんだろ!」

「俺はいつも本気です」

「うぅ…それは分かってんだけど…」


いつもの悪いクセが
二人同時で出たところで
向かい合う状態の陽介の腰に手を
掛けて引き寄せた。


「ちょ…悠…っ」

「まだか?」

「う……」


お互いの額を合わせて、視線も合わせて、
そうすると視界がお前だけになるから
俺は今、その他に何もなくても幸せで。

こんな風な気持ちにしてくれる
お前が大切だから。

だから俺は変わろうと思う。
お前の隣にある為に。


「ゆ、悠…俺さ……あの…っ」

「うん…」


俺は変わろうと思う、お前の隣にある為に

俺の腕の中で真っ赤になって小さく震える、
愛してやまないお前という存在の為に。


Fin

 


 

ピュアブラックなセンセイが
陽介のおかげで社会復帰…みたいなMYお題;;(目逸らし)
色々酷いセンセイで申し訳ない;;;;;;

楽しんで頂けたら幸い。
 

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