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【甘い誘惑】

千枝ちゃん視点ですー;;
苦手な方は回れ右ー

フードコート

豆腐の味噌汁

豚肉のしょうが焼き

(お品書きかい!(笑)

な感じで…
いってらっしゃいませ。


以下、拍手お礼(該当者様反転推奨)

arisaさん

こんばんはー(*´∀`*)ノ
いらっしゃいませvvvvvvv
いやいや!来て頂けて本当に嬉しいです!
もう…生温い創作ばかりで申し訳ないです;;

私の中では実は雪子は気づいてそうみたいな(苦笑)
で、千枝ちゃんに「千枝、邪魔したらだめよ?」って(笑)
番長ももし聞かれても「ああ…そうだけど?」って
平気な顔で答えそうですよね!(笑)
で、陽介だけがワタワタ(笑)
そんな陽介が可愛い…vvvvvv(笑)

コメントありがとうございます!
頑張ります!!(≧▽≦)

拍手[5回]














「あ…鳴上くーん!」


「ああ…里中か」


平日の放課後。
いつもおなじみのジュネスのフードコート。

雪子と待ち合わせをしていたあたしは、
見知った長身の背中に声を掛けた。

 

「どうしたの?あ、あたしは雪子と待ち合わせ~」


「ああ…俺は今日は特売かもって」


「あ、そっかー夕食の準備かー!さっすがお兄ちゃん!」

 

手に持った買い物袋を見つめて
絞る様に優しく笑う…これってクセなのかな?

似合い過ぎる優しげな様子の彼に、
あたしは少しの安心感を感じて
笑いながらその広い背中をバンバンと
音を立てて叩いた。

あたしからの行動と言葉に、
鳴上くんはきょとんとした表情で返して来る。

 

「いや…それだけじゃないんだけど」


「え?他になんかあるの?」


「陽介が…」


「花村が?」

 

そー言えば…鳴上くんが花村のことを
『陽介』って名前で呼び出したのはいつごろからだろ?

元々、男子同士で仲良いなーと思ってはいたけれど
最初見ていたころは、確か苗字で呼び合っていた気がする。

名前を呼び合うその様子が、なんだかこう…
形容し難い…関係性があるようで。

そもそも、彼が花村を呼ぶその、
『陽介』って発音自体が何かこう…むずむずと…
なんて言ったら適切なのか困るくらい特別な響きがある。
なんとなく…そんな気がする…………


そんなことが深く頭を掠めて、
珍しく深く考え込もうとしていると
薄く笑った鳴上くんが次を続けて来た。

 


「陽介が…明日の弁当、肉じゃが食べたいって。
        丁度たまねぎの買い置きが無くて」


「え…はぁ?!………………な…鳴上くん…」


「ん?なんだ?」


「ダメじゃん!それじゃ!」


ぐっと握り拳を作って振り上げる。
鳴上くんはあたしのその様子に
驚いた様な表情を見せた。


「え?何が?」


「いっつも思うんだけどさー
  鳴上くんは花村を甘やかしすぎだよ!」


「そうか?」


明日の弁当?そんなの自分でどうにかすればいーじゃん!
そもそも鳴上くんは家のこととか、バイトとか
あっちのこととか、色々あって大変なのに!!

鳴上くんは優しくて頼りになるから、
きっと花村のヤツが頼りきってるんだ!

そうだ!そうに違いない!
これはイカン!!

あたしがそれを説明するけど、言われた鳴上くんは
逆にきょとんとしていて自覚が無いみたいだった。

むむ…これは益々危険だ!!


フードコートに響く自らの声も気にしないで、
あたしは鳴上くんへと続けた。

 


「そうだよ!絶対アイツ
    鳴上くんの優しさにあぐらかいてる!」


「んーー…そうかな?」


「あんまり甘やかしすぎるとつけ上がるよ!」


あたしが長身の彼を見つめると
どうしても睨みつけるような失礼な状態になってしまうんだけど
今回ばかりは彼の為に力いっぱい睨み付けた。

勿論、それは彼の為に行った忠告であったから。

 


「結構、俺の方が頼ってたりするんだけど……」


「え?鳴上くん?」


「なんでもない…」

 

それなのに、鳴上くんはその話を聞くと
まるで何か楽しいことでも思い出すかのように
柔らかく笑いながら言った。

それは仲間である筈のあたしでも
一度も見たことないくらい
優しくて柔らかい表情だったから、
あたしは目を見開いて驚いてしまう。

 

「つけ上がる…か………まぁ、それはそれで…可愛いし」


「え?え?な、なにそれ?」


鳴上くんから落とされた、
見たことも無い表情と声が
あたしの混乱した脳内をさらに掻き乱した。


え?可愛い??あのガッカリ王子が???
何をどう見たら、可愛く見えるの??


口をあんぐりと開けたまま驚くアタシと、
楽しげな鳴上くんの間に
微妙な空気が流れそうになった時、
フードコートの奥から聞いたことのある
暢気な声が聞こえてきた。

 

 


「あ、いたいた!悠ーーーーー!」


「ぬ!噂をすれば!!」


走り込んでくる姿は、紛れも無く話題の花村で…
ジュネスのエプロンを着けた仕事着のまま、
あたしと鳴上くんの前へと現れた。


「悠!ってなんだ、里中もいたのかよー…」


「なんだとはなによ!」


花村からの面倒そうな表情にカチンと来て、
あたしは抗議するけど、コイツは
いつも通りに煙に巻くみたいに
あたしの言葉をスルーした。

 

「っせーな…あ、悠!悪ぃんだけどさ、バイト、
   手伝ってくんないか?一人抜けちゃってさー」


「ああ、いいよ」


「サンキューー超助かった!お礼になんかオゴるからさ!」


心底嬉しそうにし合う二人。
頼んだ本人と、頼まれた本人と。

先程の話の内容が早速目の前で展開されて、
納得のいかないあたしが思わず叫んだ。


「コラーーーーー!」


「わぁ?!な、なんだよ?里中…お前もバイトしたいのか?」


「違う!花村!アンタ、鳴上くんに甘えすぎ!!」


「は?!え…ええと…悠、何言ってんの?コイツ…」


あたしからの突然の叫びに困惑した花村。
鳴上くんは苦笑しつつも小首を傾げながら、
簡単に説明してくれた。


「俺が陽介を甘やかしてるから、よくないって」


「大体アンタ、いっつも鳴上くんに頼ってばっかりで!」


「だって、仕方ねーだろ!コイツしか頼れるヤツ居ないんだし!」


花村がそう言った途端。
鳴上くんが、にやりと笑った気がした。

え?ん?見間違い??

おおよそ、いつもの彼からは
想像もつかない様な凶悪な甘い笑顔に
あたしの動作は一瞬凍りついた。

その様子を見逃さない様に、
鳴上くんがあたしと花村の間へと
入ってきて宥めた。

 

「まあまあ、今日の所は陽介も忙しそうだし…」


「そうだぞ!里中!悠がいいって言ってんだからさー」


「花村アンタね!…って」


「里中……」


あたしがこの甘ったれの臀部に、
一発入れようと足を振り被った時だった。

片目を瞑り、薄く微笑む鳴上くんが
その印象的な唇に人差し指を当てて
あたしに沈黙を願ったのは。

その艶やかな仕草にあたしは一瞬惚けてしまい、
動きが止まってしまう。

 

 

「じゃあ、里中また学校で…行こう、陽介」


「え?う…うん…また学校で……………アレ??」


「おう!またな!里中」

 

私が止まった隙をついて、
そそくさと二人は行ってしまう。

取り残されたあたしの思考の中には
先程の鳴上くんの仕草とやりとりと
沢山の疑問符。


「あ、アレ???……」


「あ、千枝ーーごめんね待たせて」


「あ、雪子…う、ううん大丈夫。そんな待ってないから…」


考え込んでいると、待ち人が現れた。
あたしが眉間に皺を寄せているのを見ると
雪子は驚いたような様子で聞いてきてくれた。


「?……どうかしたの?」


「え?あーうん…ちょっと…」


あたしの視線の先には鳴上くんと花村。
並んで歩く二人の姿があった。

あたしの視線を追った雪子が
二人を見て納得すると、一つ零した。

 

「なんか、鳴上くんって花村くんと一緒だとちょっと違うよね」


「え?ホント?そ、そっかーー良かった!
    あ、あたしだけじゃなかったんだ~あはは~」


「え??何が?」


「い、いやーーこっちのことーーあはは…」


先程見た鳴上くんの表情が
なぜか…とても危険なよーな…
いつものあの柔らかな物腰とは少し違うような。
そんな感じがした。

あえて言葉にするならば
『邪魔するなよ?』と釘を刺されたような…

 

 

『つけ上がる…か………まぁ、それはそれで…可愛いし』


それを思い出した途端、
あの聞き捨てなら無い言葉が、あたしの頭に響いた。

甘えられた本人が、甘えてきたヤツが可愛い??

あたしにはどうにも分からない思考に
頭はぐるぐると迷走する。


答えが未だ出ないまま、
あたしは衝動的にコトの
核心を雪子に聞いていた。

 


「ねえ…雪子…親友?に甘えられるのって好き?」


「え?千枝に?そうだね…………うん、好きかも」


「え?ええええ?!そ、そうかな?超ウザくない?」


本当に意外な答え。
あんなにがっつり頼られたら
嫌じゃないの?普通??

 

「ううん、ウザくないよ?だって千枝だし」


「え?……あたしだから????」


「うん、大切な人から甘えられるのって
      信用されてる気がして素敵よね」


「そ、そんなもんなの???」

 

大切な人から甘えられるのって
信用されてる気がする…………???

だから、甘えられてもOK????

え?????そーいうモンなのかな?

あたしの中で推し量れない難しい関係性が、
四方八方に飛び交って混乱する。

 


つまりは鳴上くんにとって花村は
大切な人だってこと??????????????

友達以上?うーん…相棒って呼び合ってはいたけれど…


大切な人…大切な…邪魔されたくないくらい?


え?えっと……ん?????


あ…あれ????


え?!





「千枝!?どうしたの?大丈夫?」


「う…うん………だ、だいじょぶ………」


あたしは驚きのあまり、
その場にガクリと膝をついた。

気づいてはいけないことに
気づいてしまったよーな…そんな感じ。

えっと?えええと……その…ええと???

判断材料と気づいてしまった内容と、
それらがあたしの頭の中で愛屋のスペシャル肉丼よろしく
目の前にごっそりと積み上げられた。

 

「千枝?顔、すごい真っ赤よ?」


「いいいいいい、いいからっ!雪子!なんでもないからっ!!」

 


あんな甘ったれと、彼が??
え?えええ??

予想もしていなかった答えに
あたしは驚くけど、
不思議と嫌じゃないとゆーか、
意外としっくりくるよーな気さえした。

いままであたしは、彼らの関係性は
あたしと雪子のソレとまるで同じ様に
感じていたけれど、少し違うのかもしれない。

友達以上か……
隣に居る、とてもとても大切な友人を見て
ぼんやりと考える。

 

「雪子!あ、あたし達は対等だもんね!友達だもんね!」


「ふふ…何?急に?千枝ったら…
       花村くんみたいなこと言うね」


「ええええ?!ゆゆゆ、雪子!何言うのよ!
    あたし、絶対あんなんじゃないし!!」


あたしは雪子から言われた言葉に過剰に
反応してしまう。


「そう?ちょっと似てるかなって…」


「やややや、止めてよ!絶対違うから!!」


笑った雪子を見て、
もしかしたら、あたしでさえも
大切な人からなら甘えられるのは
嫌じゃない気がしてきた。

 

「ふふ…千枝ったら……」


「もー!雪子、笑いすぎ!!」

 

彼らみたいな関係性もきっと
色々な倖せの形なんだろうと……。

ソレをあたしがきちんと理解して上げられるのは
もう少し時間が掛かるのかもしれないけれど、
二人が倖せならそれでいいかって気がしてきた。


「雪子!行こうか?」


「うん、行こう」


親友の手を引いて歩き出した。
この小さくて柔らかい手は
あたしにとって、とても大切で。

もう二度と離さないって本当に思ってる。

あの二人はどうなんだろう?
今度、二人にそれとなく聞いてみようか?
その問いに二人はどんな顔をするんだろう?

なんて…そんなことを考えながら
あたしはジュネスを後にした。

 

 

 

一方こちらは、先程そそくさと逃げ出した
鳴上と花村の二人。

歩きながら今日の仕事の内容を軽く説明していると、
フードコートの端で叫ぶ、里中の声が聞こえてきた。

それはここまで聞こえてくるくらいに大きな声だった。

 

「里中のヤツ…すげー賑やかだよなー」


「だな…あ、そうそう…陽介、今晩
  夕飯食べてくか?菜々子と二人だけなんだ」


「え?マジで?!やったーお世話になりますっ!」


一瞬にして賑やかに騒いでいる方向と
同じくらいの賑やかさに変わる。

その変わりように二人で苦笑する。

そのまま従業員用の通路へと入り
お馴染みのエプロンを受け取ると
鳴上が視線で促した。

 

「陽介………」


「ん?なんだ?」


なぜだか言いにくそうに
鳴上は下を向くと、ぽつりと呟いた。

 

「実は今日、待ち伏せてた……って言ったらどうする?」

 

ふと立ち止まる二人の歩行。
なぜだかじわりと焦る感覚。

見つめて来た鳴上の瞳を覗き込んだ花村が、
まるで太陽の様にニカっと笑うと返してきた。

 


「…じゃあさ…俺が実はお前が来てくれるの
     待ってたっつったら、お前はどうする?」


「……………」


「……………」

 

再びの沈黙。
鳴上は耐えられずに噴出しながら言った。

 

「……今夜は豚肉のしょうが焼きにしてあげます」


「やりーーーー!サンキュー!」

 

諸手を上げて、嬉しそうな笑顔の花村。


実はウザいのは俺の方かも…里中。
待っててくれた…の一言でこんなにも嬉しいのだから。

 


「陽介…俺ってもしかして、ウザいのかな???」


「は?!な、なにいってんの?お前…そんなワケねーじゃん」


「……ならいいんだけど…」


この笑顔だけで、他のことは
どうでもいい気さえしてくるんだから
俺の中身はとても現金に出来てる。


「お前がウザかったら俺なんかどーなるんだよー」


「まぁ…陽介は可愛いから…」


「は?なんだよそれ……」


一瞬脱力した表情で言うけど、
まぁいいかって笑った。

俺はその笑顔がとても好きで、
思わず目を逸らした。

 

「さて勤労するぞー!ほら、悠!」


「ああ…行こう」


バンっ!と勢い良く背中を叩かれて
少し痛かったけれど、同時にその手で
背中をさすってくれる、優しい感触を感じたから
今日の所は良しとしよう。

 


「あと、豆腐の味噌汁も作ろうかな…」


「せ、せめて…油揚げにしてくんない?」


予想通りに焦る陽介を見て、
俺は自然と笑ってしまう。

こんな風に自然に笑える様になったのは
いつごろからだろう。


「里中から甘やかすなって言われたからな…
  いっそのこと好き嫌い克服強化月間にでもしようか?」


「えええ!…くっそー里中のヤツ、余計なコトを…っ!」


甘やかすな…か。
俺にとって陽介からのソレは、すごく甘い誘惑みたいで
どうしたって止めることなんて出来はしないんだろう。


「まぁ…それ止めるって…無理そうだよな…」


「え?い、いや…いつかは…お前が作るものだったら…
      豆腐の味噌汁…くらいは…克服したいと…」


「え?あ…いや…陽介、そうじゃなくて」


うんうんと唸りながら考え込んでいる
陽介の後頭部を見て、俺はまたひとつ
自然に微笑むことが出来たことを自覚すると、
『お礼に今度は俺が甘えてみようか?』と
心の中で付け加えてみた。


Fin








千枝ちゃん視点でしたー。
口調とか…ま、間違ってたらすみません;;
※口調ちょっと直しました;;

なんとなく、今回は陽介が強くなっちゃいましたなー;;
自覚なかったんですが;いやはや;;

鳴花(花鳴?)的には陽介が甘えるだけじゃなくて、
底には信頼関係とかあるなーと。そしてそれが萌えと(笑)

楽しんで頂けたら倖い。
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