Polaris
【君との距離】
距離
押し倒す
ずぶ濡れ
な、感じで。
いってらっしゃいませ。
以下、拍手お礼(該当者様反転推奨)
arisaさんへ
いらっしゃいませ(*´∀`*)ノ
す、すみません;;付き合ってる設定なのに
分かり辛くて;;;すみません;;
あとでちょっと直しときます;;;;;;;;;;;(殴)
ああ!そう言われてみれば、濡れると
透けますね!透けますね!(二回言ってみたv)
それ使えばよかったーーー;;うわーん;;不覚;;
arisaさんの夏の新刊を超楽しみにしておりますv
頑張って下さいね!!応援しておりまーす(*´∀`*)ノ
閲覧ありがとうございました(≧▽≦)
悠とは不思議な距離を保ってる。
そう思うときが多々ある。
こんな間柄になっても
お前は変わらないっつーか
俺の方がお前の次に
動揺することが多い。
そして、たまにお前は
その距離をいとも簡単に
飛び越えたり、縮めたりして来て
あっと言う間に俺の目の前に居るときがある。
俺はそれに面食らう。
外は想像もしたくないくらい暑いだろう日。
俺の部屋で勉強!って名目で悠を呼んだ。
勿論勉強もする気はあったけど
折角なんだから…と、なんだかんだとはぐらかし
俺がゲームへと没頭し始めたのは
数十分前のこと。
溜息をつく悠をなだめながら
俺は液晶画面へと向っていた。
「ちょ、ちょ…なに?なに?悠?どした?」
「んーーーー…別に」
そうしていると突然、悠が俺に触りだした。
驚いた俺は思わず素っ頓狂な声を上げるけど、
それにも構わないみたいで悠はそのまま俺へと
触れてくる。
「ちょ…だからなんだって?!髪引っ張んな…っ!」
「んーー…」
まるで何かを考えているみたいな様子で
俺の色々な箇所へと触れてこようとするんだけど、
俺はそれをなんとか阻止しようと体を
くねらせ応戦する。
その様子が気に入らないのか
悠は眉根を寄せてじっと俺を見つめると、
ぼそりととんでもない言葉を吐いた。
「かまって下さい」
「は?!」
「だから、かまって下さい」
あまりの言葉に俺は声も出ない。
そりゃ、ゲームに夢中になってたのは
俺だけだけど…
「それだけ??ば、バカか!」
「陽介がそっちばっかり見てるからだろ?」
「う…え…い、いや…それ理由にされると…」
「かまって下さい」
だって今はゲーム中で。
今日は勿論勉強って名目ではあったけど
一緒に部屋でゆっくりってゆーのもあったはず…
俺の頭の中は混乱して、
混乱しすぎてどうにもならない。
「折角素直に言葉にしたんだから、直球勝負でなんか下さい。」
「な、なにを?!」
「何か」
にっこり笑って返してくる…まるで話しにならない。
いつもならここまで支離滅裂な
ヤツじゃないのに。
俺は悠の瞳を覗き込んで
見ると何かいつもと違うような雰囲気だけを
感じ取った。
「ゆ、悠?????」
「陽介、早く」
「え…えっと????」
「遅い!押し倒すぞ?」
「どんな脅し文句だ!うえ!ちょ…ちょっと待て!」
「遅い…待てない」
俺が制止する間もなく、
悠が俺へと圧し掛かってきた。
そのあまりの速さに抵抗できないまま
押し倒されると、悠から何やら甘い香りがした。
「ちょ…あ、あれ??………お、おま…もしかしてコレ食べた?!」
「んーー………食べた」
「コレ…っ…ウイスキーボンボン…っちょ…吐き出せ!今すぐ!」
「んーー………無理」
にへ…って音が有り得るんじゃないかって感じで笑う。
柔らかく笑う姿がまるで別人みたいだ。
悠がおかしかった理由は簡単だった。
母親が珍しく用意してくれてた菓子の中に
なぜだかウイスキーボンボンが混じっていた。
どうやら悠はそれを食べたらしい…
確か俺、食べないよーに!って言ったハズなんですけど……
ノンアルコールで場酔いさえするのに、
そんなヤツが実物食べたりしたら………
俺は一瞬にして、前回の
収集の付かない事態を思い出し
血の気が引く。
俺がそんな思案の底にいる状態でも
悠はマイペースな様子で正座をすると
三つ指突いて一礼をすると言った。
「大変おいしゅうございました…」
「ちょ…水!クマー!!水!水持ってこーい!!早くっぅぅ!!」
「そして、こちらも頂きます…」
「ちょ…は、早くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
正座の体勢からどこからそんな速さで
動けるのだろうと不思議なくらいの
速度で悠は俺へと迫る。
階下からトントンと音を立てて
クマが上がってきた時には
俺は完全に悠の下敷きにされてた。
「はーいヨースケ、水だクマーー!」
「おおお!クマ!ってバケツじゃねーー!コップに水だ!」
「ああ、クマ…か」
もうこの体勢を見られても
何も感じないくらい酔っ払っているのか、
悠はいつもの爽やかな笑顔でクマへと挨拶する。
「おお!センセイ!お取り込み中クマか?」
「ああ…陽介とちょっと、
『込み入ったコト』するから外してくれないか?」
「『込み入ったコト』って何?!つーか
そんなことするつもりないですぅぅ!」
「OKー!わかったクマー!お邪魔しないクマよーじゃねー」
悠からの言葉に、あっさりとクマが階下へと戻っていく。
ご丁寧にも俺達の傍に
水が並々と入ったバケツを置き去りにして。
お、俺の言うコトはなかなか聞かねーくせに!!
「ちょっと待て!ちょ……って悠ちょ…」
「こっち見ろって念じてたんだけど、陽介は向いてくれないし」
「は?は?!え?なに?それ??え??」
「ゲームに夢中で、一向に振り向いてくれないから」
え?なにそのかわいいりゆう…
大混乱の俺へ向って悠はぽつりぽつりと
ひとつづつ落とすみたいに話し始めた。
「ペルソナとかあるし…
意思の疎通とか出来ないものかと考えて」
「え?ペルソナ?え?」
「ずっと見てたんだけど…でも、もう待ちくたびれたので」
「は、はい…すみません………」
「いただきます」
「うわ!ちょ…やめ…こらああああぁぁぁぁぁ!」
ばしゃーーーーーーーーーーーん!!!
悠が俺に貪りつくのと同時に
俺がバタバタと手足を振ると
傍らに置かれていたバケツがものの見事に
引っくり返った。
俺達はずぶ濡れになった。
「陽介………」
「う、うわ…ごめん、悠!」
「そんなに俺が嫌?」
「ち、ちげーって!だから…っ」
「あ…陽介……………ゲーム機」
「え?うわああああぁぁぁあ!!!ヤバ…!」
未だ惚けた様な様子の悠の言葉で
俺は慌てて水没しかけたゲーム機を救い上げた。
どうやら水没は免れたみたいだったので
安堵の溜息とともにベッドの上にそれらを
置いて振り返ると、そこにはご機嫌斜めの悠がいた。
「あ………えっと…悠さーーん??」
「覚悟を決めなさい…陽介」
「ちょ…ちょ…ちょっと待てって!悪かった!悪かったって!
あーもー!よ、酔っ払いは寝てなさい!」
「わかった、寝る」
「へ??悠????」
そういうと、俺へともたれ掛かると
素直に俺の胸の上で目を閉じた。
ゴロゴロとネコみたいだ。
「陽介…なんか…回ってる…」
「うおおお…ちょ…大丈夫か?悠」
「うん…なんか気持ちいい」
「は?!」
回ってるって言ったり、
気持ちいいって言ったり、
予測不能の事態に俺は唸った。
逆に悠は落ち着いたみたいな表情で
目を閉じて寝息を立てるから、俺はそれっきり
何も言えなくなってそのままになる。
「陽介のにおいがする…気持ちいい」
「お、おま………」
「これが欲しかったんだ…」
「ば、バカ……」
お前は本当に嬉しそうな表情で
笑うから、俺はその笑顔に何も出来なくなる。
まただ…また、
一足飛びで縮められた距離に
俺は面食らう。
けど、悪くない感覚が大半を占めてて
それどころか楽しいような、
嬉しいような気分になる。
だから、俺はこのままお前に委ねる。
「陽介が気持ちいい…」
「ば、バカ!エロい!お前っ!」
また、お前から来た予測不能な言葉に俺は叫ぶ。
俺の中の距離どころか、その他のいろんなものが
縮められて、お前の傍に収まる気がして
なんだか面白い。
「あー……このずぶ濡れ…どうすっかなー…」
俺は濡れた床と俺と悠を見比べて呟くと、
気持ちよさそうに眠る悠の体温を感じて小さく笑った。
Fin
きっとそのうち、八艘飛びしますヨ…(笑)
とゆーわけで、暑い…マジ暑いですねーー…orz
夏にベタベタと(苦笑)
ウイスキーボンボンって久しぶりに書いた。
こんなに酔っ払うんじゃ、二日酔いとか大変そうですわー;;;
そんな感想(苦笑)
楽しんで頂けたら倖い。