Polaris
【いつも全ては君で】
らしくなく
夜
ソファ
な感じで。
いってらっしゃいませ。
※少し直しました。
以下、拍手お礼~(該当者様反転推奨)
arisaさんへ
わーーーvvv貴重な情報ありがとうございましたv
思わずポチリとしちゃいました(笑)
番長は本当にカッコいいですよねーー(*´∀`*)ノきゃー(*´∀`*)ノ
今、OPで二人並んでペルソナ呼んでるシーンが
密かなる萌えポイントで楽しんでますvvv(笑)
部屋の中で鳴り響く携帯電話。
時刻は21時ちょっと過ぎ。
花村は、さてこれから何をして一日の終わりを
過ごそうか?と、自室でごろごろしている最中の
コトだった。
ディスプレイを見ると『鳴上 悠』の文字。
こんな時間に珍しい。
そもそもあちらから掛けてくる
コト自体が珍しくて、
俺は少しだけ浮き足立つ感覚のまま
通話ボタンを押した。
「おー悠、何?」
ニカっと思わず笑ってしまう。
多分、日本人の悪い癖。
電話の向こう側を想像して話すと
いつもの声が聞こえてきた。
「えっと…」
「ん?なんだよ?」
なんだろう?珍しく歯切れが悪い。
半年付き合ってみて判ったけれど、
コイツは結構いい性格してて、
意外と物事をハッキリと言うヤツだったはずだ。
それが今日に限って、歯切れが悪い。
なんなんだ??
「いや…うん…陽介…こんばんは」
「は??」
なんだ?ホント、どうしたんだよ?
「なんだよ?どうしたんだよ?何かあったのか?」
あまりの様子に俺は慌てて聞き返すが
当の本人は大事など無い様子で…
しかし、そのままぼんやりと返してくる。
「いや…ごめん、違うんだ」
違うと言いつつ、絶対に違わない。
いつもと違う。それだけは確か。
それくらい俺にだって判る。
どうしたんだよ?俺、大丈夫だからさ、何でも言えよ?
そう言って悠の次を促すと
あいつは遠慮がちに、しかも言いにくそうに
話し出した。
「いや…その…」
「うん…」
なんだろう?どんなコトを言われるんだろう?
怖い気持ちと、複雑な思いが合わさって
なんだか落ち着かない。
もしかして、俺なんかやった?????
そう、それが一番怖い。
自分でも気づかないうちに
悠に何かしていたんだったら
大変なことだ。
最悪のケースを予想して俺は身構えた。
「声が…聞きたくて。」
「へ?!」
それは、例えるならば
追撃でダウンさせられる感じ…再起不能なくらい…
それくらい威力の有る一言。
身構えた格好のまま、俺は胸の辺りから
聞いたことも無い様な声を上げた。
「ななななななな、なに言って…」
「陽介の声が聞きたくて掛けてみた」
「ななななな、なんだよそれ…」
一気に体中の体温と、
血液の温度が上がっていく感覚を感じた。
「陽介、何か話して」
「は?!ええと…」
何かって何が????
言われた内容と求められている内容を
頭の中で上手くこなせなくて、俺は浅く早く呼吸をしたまま、
勢いで言葉を投げた。
「こ、こんばんは…」
「………こんばんは」
おいコラ!
違うだろ!俺!!
俺があまりのことにそれっきり黙ってしまうと、
心配そうな声色になった悠が
慌てて返してきた。
「ごめん…馬鹿なこと言ったな。
気にしないでくれ、忘れていいから。」
いや…
逆にそんなコト言われたら
忘れられねーだろ。
フツー…
「陽介、本当にごめん。もう切るから…」
「悠!ちょっと待てって…」
続かなくなった会話を
なぜだかなんとか繋げたくて、
俺は必死になって言葉を捜して悠へと渡した。
「悠…その…」
「ん?」
「…………掛けて来てくれてありがとう」
「………………」
長い長い沈黙。
ああああああああああああああああああああ!!
もう!!なんなんだーーーーーーーー!!
なに?ありがとうって?!
もうちょっとなんかないのか!俺は!!
大混乱のまま、俺が息を荒げていると
悠はまるで微笑むように返してきた。
「うん。満足した。」
「え?」
悠は本当に嬉しい様子で
電話越しに笑う。
なんとなく判る。
俺にだって、今、お前が
どんな顔して笑っているか判る。
「すごい倖せかも。ありがとう、陽介。」
「え?そ、そうか?……」
「ああ…俺もありがとう…じゃ、おやすみ。」
ぶつ…
なんだかすごく満足した声で
通話は突然切られた。
おいおい…
おいおいおいおい…
ちょっと待てーーーーーーーーーーー!!
お前独りで納得して切るなーーーーーーーー!!
言われて取り残された俺はどうなる?!
なんかもうちょっと話そうと思ってたのに………って違う!
こうなったら俺から掛け直して
文句言ってやる!!
文句言って…
文句…
・
・
・
・
・
って…どんな文句言やいいんだ????
うううううううう…
くっそおおおおおおおおお…
俺は携帯を握り締めながら、
独り真っ赤な顔のまま唸り続けた。
「俺、いっつもこんなんばっかりだ…」
・
・
・
・
・
一方、こちらは堂島家。
「まいったな…」
鳴上も自室にいた。
ソファに腰掛けて今まで操作していた
画面を除き見る。
「やってしまった…」
なんか勢いで掛けてしまったけど…
きっと陽介、怒っているだろうな。
明日、謝ろう。
そうは言いつつも、本当に声が
聞きたくなったのだから仕方ない。
「仕方ない…か…」
陽介の声と気持ちに、
なんだか本当に満足してしまった。
俺も大概、馬鹿だな…と独り苦笑していると
携帯をさらに強く握りしめてしまっていた。
「あ…まずい…」
壊れてしまう。
そう思い再度携帯を見ると、
メールの受信を知らせる灯りが点った。
そのまま、まるでメールに呼ばれるみたいに
携帯を開くと、『花村陽介』の名前が見えた。
一瞬、呼吸が止まり、
らしくなく慌てた手つきでメールを開くと
目に飛び込んで来たのは意外な言葉だった。
『ずるいぞ!!お前ばっかり!俺にも、もっと声聞かせろ!』
途端、まるでポスンっと崩れるように
鳴上はソファへ突っ伏した。
「っ…陽介…お前は本当に面白いよ」
にやけた顔のまま、鳴上は返信する。
じゃ、何か話そうか?それとも明日の約束をしようか?
立て続けに鳴上がメールで提案すると、
花村はまるで、おぼつかない足取りで
歩み寄るように返信してきた。
『お前がもっと知りたい。知らないことばっかりだ。』
陽介…ずるいのはそっちだな。
こんな風になるのは、いつもお前だけなのにな。
気づかないんだな…本当仕方ないな、陽介は。
目を閉じてその面影を思う。
俺が知りたい?
そんなことなら喜んで。
お前が知りたいならいくらでも。
でも、少しだけ高くつくことだけは覚えておいて欲しい。
慣れた手つきで通話の手順を追う。
通信先は勿論花村。
何回かのコールの後で
慌てた様子で電話に出た花村に、
鳴上は思わず笑いながら言った。
「今からそっち行くから、散歩でもしようか?」
驚いた様な声。
暗いから危ないだの。夜だの言ってる。
「大丈夫、大丈夫…月がすごい綺麗だからきっと楽しい」
カーテンを開けると、卑猥な位に綺麗な月。
お前が知りたいならいくらでも。
声が欲しいなら、もういらないって位囁いてやるから。
「それに、近くで声、聞けるけど…どう?」
にやりと笑ってしまうその動作が、
なぜだかとても倖せで。
花村が慌てた様子で許可を出すと、
近くに掛けてあった上着を羽織って
通話を続けたまま階段を降りた。
外に出るとやはり
月は必要以上にとても綺麗だった。
星も見えなくなるくらい綺麗な月だった。
これから向うから、と
花村に告げて通話の最後。
らしくない声で囁いた。
「声、聞けるな…お前の傍で」
Fin
うわ;;長っ;;;;;;;
また、多分ちょっと直します;;;
<追記>
ちょっと直しましたー;;
今回はあんまり変わってないかなー;;
楽しんで頂けたら倖い。