Polaris
【君は僕のすべて】
人類の敵
切れる音
困る
な、感じで。
いってらっしゃいませ。
以下、拍手お礼(該当者様反転推奨)
arisaさんへ
返信遅れまして大変申し訳ございません!!;;
本当にスミマセンーー;;(ΤДΤ)
コメントありがとうございます!
ああ!そっか!そちらはGの出現は無いのですね!
いいなーーーーーーー;;;;;;;
ちょっとでも暖かくなると、すぐ出てきますよ;;G;;;;
もっともっとイチャイチャを焦らしてやろうか?と
思ったんですが(苦笑)センセイが可哀想だったので
止めました(笑)
コメント本当にありがとうございますv
私も頑張りますね!!
arisaさんの創作も楽しみにお待ちしておりますv
ではではー(*´∀`*)ノ
「ちょ…うわ!やだやだやだやだ!」
「よ、陽介…落ち着け」
「わーーーーー!やだやだ!無理!悠!助けて!うわああぁぁ」
「ちょ…待てって…陽介…っ」
「悠!助け……うあわあああああぁぁぁぁ!」
部屋の中は大騒ぎ。
リビングで走り回りながらクッションを
振り回し半泣きで震えてる陽介。
コトの始まりは数分前。
俺たちは休日をそれなりにゆったりと、
それなりに楽しく穏やかに
過ごしていたのだけれど………
突如として部屋の隅から
例のあの全人類の敵…Gが現れた途端、
その穏やかな時間が吹き飛んだ。
「やだやだやだーーうわあああああぁぁぁぁっ」
「陽介、落ち着け」
途端、悲鳴を上げて逃げ回り始めたのは陽介で、
俺はGを逃がさないように部屋の戸という
戸の全てを閉めて回った。
そういえば、陽介はGが苦手だと言っていたな…
以前の会話からの言葉を思い出すのと同時に
何か攻撃力のありそうなものを探す。
その間も陽介はどう考えても
反撃には向かない、いつもソファに置いてある
クッションを振り回しつつ逃げ回る。
「く、来んな!うあああぁぁ…やだーーーーー!」
「ちょ…陽介……」
俺はGが出現してしまったこの事態を打開しようと、
廃棄予定だった雑誌を見つけると掴んで丸め手に構える。
陽介はもう逃げ場が無くなったのか、
自分の定位置でもあるソファの上へと逃げ込んでいた。
逃げ込んだと言っても、まさかシェルターというわけでもないので
Gが這いずる床との高低差はせいぜい数十センチと言った所だ。
「うううう…やだやだやだ……ぅぅぅ…」
「陽介、落ち着け…大丈夫だから」
ガタガタと震える陽介を宥めながら
Gへと近寄ると、それを察知したのか
Gは途端『ぶるぶるるっ』と言う
耳を塞ぎたくなるような鈍い羽音を立てて羽ばたくと
陽介へ向けて迷わず飛び上がった。
「ひっ…いやだああああああ!!!!!悠…!」
「ちょ…よう…す……うわ…っ!」
途端、一瞬にして陽介も飛び上がると
TVの中で見せたあの素早さのまま
俺へと飛びついて来た。
Gへの戦闘態勢へと入っていた俺は
陽介からの予想だにしないタックルに
その決して小さくは無い体を抱き留めると
しりもちをついて倒れた。
「痛っ…陽介、大丈夫か?」
「う、うん…悠こそ大丈夫か?
ごめん…っ…てか、あれは?じじじ、Gは?」
「ん?どこだ?」
辺りを見回すとどこにもいない。
戸は閉めてあるはずだからどこか他の部屋へと
逃げ出したのではないようだけど…。
「っ………ひ………………」
「ん?陽介?どうしたんだ?」
「悠……俺、もうダメかも……………」
「え?陽介?」
ひきつった様子でガタガタと震える陽介。
凝視している陽介自身の右の掌を見ると、
見事なまでに無残な姿で絶命しているGがいた。
「潰れ…てる…………陽介の掌で…」
「ぎゃああああ!言うなぁぁぁ!!」
狂ったように叫び出した陽介を見て
一つ溜息を吐くと、俺は後始末の大変さに
頭を抱えた。
「まったく…」
俺の視線の先には、陽介が逃げ回る際に
倒したり、引っくり返した
棚や色々な雑貨類…。
「悠っ…無理!もう無理!俺、生きてけないかもっ…」
「別にそのくらい…洗えばいいじゃないか」
「お前には俺の気持ちがわかんねーんだよ!俺の繊細な心がぁぁ」
俺は溜息を吐きながら、
ティッシュで綺麗にGを取り去ると
陽介の手首を掴んで洗面所へと引っ張って行った。
「ほら…石鹸で洗って」
「ううううぅぅぅぅぅぅぅ…俺、もう死んじゃうかも…」
完全にベソをかいた状態で
無心になって洗い続ける陽介。
未だにビクビクと震える背中が可愛くて
俺は衝動的に後ろから陽介を抱き締めた。
「これくらいで死なれたら困る」
「ゆ、悠…」
本当だ。
これくらいで死なれたら困る。
これくらいで死なれたら、
俺は間違いなくこの世のGというGを全て
消滅させた後、お前の後を追うだろうから。
「Gのせいでお前が死んだら…
それこそ地球全体が焼け野原になる」
「え?な、なに??それ?やややや、焼け野原?」
「なんでもない…」
にやりと笑う。
本当はきっと例え話なんだろうけれど、
俺には重要で大切で。
「俺、残して死なれたら困るよ…陽介」
「お…おう……わかった…」
陽介の髪の匂いが心地いい。
俺はそれを胸いっぱいに吸うと
今度は柔らかく笑った。
「陽介…陽介………」
「んだよ?って…お、おい…悠!ちょ…おま…」
襟足を唇でなぞると、ビクビクと反応する。
その様子が可愛くて、
そのまま首筋を何度か舐め上げると
陽介はまたビクビクと反応した。
「ゆ、悠…ちょ…ひゃ……」
「ん……陽介の匂いがする」
「ば、バカか…!ちょ…っ」
俺は満足そうに笑うと、再度石鹸を
陽介の手に握らせて泡立て始めた。
「それに、こんなに可愛いと困る…本当に」
「は????な、なに???」
「なんでもない…」
こんなに可愛いと、余計に意地悪をしたくなるじゃないか。
俺のことを判ってないわけでもないだろうに、
お前はいつも無防備で困る。
「悠…ごめんな…俺、どうしてもアレが苦手で…」
「ん?いいよ、可愛いから」
「は?だ、だから、さっきから可愛いってなんなんだ…っ」
そう言って慌てる陽介がまた可愛い。
ああやって俺を頼って一番に飛びついてくれるなんて
本当はとても嬉しいんだけど……次は予告くらいは欲しい…かな。
そう考えながら苦笑した。
「はい、おしまい」
「悠…あ、ありがとな…」
「うん………じゃ、しようか?」
「な、なにを?!つーか、しませんから!
ひゃ!こ、こら…どこ触ってんだ…っ」
俺が陽介の首筋からの匂いを胸いっぱいに吸いながら、
濡れた手のまま陽介のシャツをまくり上げて中をまさぐる。
すると、陽介の体はまた反応する。
「ひゃ…つめてーって…ちょ…ゆ、悠…!」
「陽介、可愛い…」
「だー!だからっ…ちょ…待てって…待っ……って、んっ?」
ビクビクと俺の手の動きに
反応し続けていた陽介の体が、
突然硬直するように止まった。
「ん?陽介?」
「…っ…………うわあ!ゆゆゆゆゆ、悠!ま、また…G…っ」
「え?」
「うわーーーやだやだやだやだーーー!」
陽介が指差す先を見上げると、
洗面台の鏡にまるで張り付くように
蠢く一匹のG…
腕の中の陽介はそっちに夢中?で
もう、俺のことなんか見ていない…。
もう全然、俺のことなんか見てない……。
「…陽介?」
「うわああああ…出た…出たぁぁぁぁっ」
「っ……ぜんっぜん見てない…よな……」
はははははは…
よりにもよって……
このタイミングで出るのか…
Gよ…お前は。
俺は本日二度目のその姿を見た途端、
言い表し難い憎悪とか怒りとか何か色々なものが
入り混じった感覚が膨れ上がるのと一緒に、
プツンと何かが切れる音を聞いた。
「いま………」
「え?悠???」
「今、すごくいいところだったのに…」
「ゆ、悠…???」
俺は自分でも驚くくらいの速さで
近くにあった雑巾を掴むと、
Gへ向けて鏡を叩き壊さん勢いで
振り下ろしつつ叫んだ。
「邪魔をするなあぁぁぁ!」
「ぎゃあああーーーー!悠が怖いーー!」
数十分後…
軽い疲労感の広がる俺達は
先程のリビングにいた。
「陽介、本当にバルサ●焚こう…これ以上邪魔されたら困る」
「ははは…まぁ…そーすっか…」
陽介は先程のことを思い浮かべたのか、
苦笑いをしながら頭を掻く。
「じゃあ陽介…俺、バル●ン買ってくるから留守番してて」
「え?い、今から行くのか?」
「もう一刻も早く焚いてヤツらを駆逐したい…」
折角の陽介との…は、とりあえず置いておいて。
もし万が一住み着いてしまったのなら
早めにどうにかしたいじゃないか。
陽介に部屋を片付けておいてくれと頼むと、
俺は財布を掴んで玄関へと歩みを進める。
あの殺虫剤なら、確か近所のスーパーにあったはず…
そんな俺の後を陽介がおずおずと
ついてくると、俯いた状態のまま
俺の肘辺りの袖を遠慮がちに掴んで言った。
「悠…………その…」
「ん?陽介?どうしたんだ?」
「ひ………」
「ひ??陽介???」
「ひ、独りにしないで……っ…」
「は????え??陽介??」
途端、陽介は俺へとすがり付いて来て
俺の上着を握り締め涙目で訴えた。
「だ、だって!さっきまでこの部屋にヤツらが2匹もいたんだ!」
「ええっと……その…陽介?…俺、バルサ●を…」
「無理!…お前がいない部屋に独りで留守番なんて無理です!!」
「ええっと……その…陽介………バ●サン…」
「行かないでくれ!独りにしないで…!お願いだから…っ」
「ええっと………………な、なんだったけ…」
なんだろう?この可愛い生き物は…
俺はすがりついてくる必死な陽介の様子と
その体からの暖かい体温を感じると、
頭の中で再び何かがぷつんと切れる音を聞いた。
それは先程より、幾分か柔らかい音だったけれど
溢れた内容は数段危険な匂いがした。
「うわっ…ちょ…悠!なにする…」
「もうダメだ…陽介のせいだ」
「な、何が?!ひ…ちょ…ここで押し倒すな!
ま、待って…ま、またGが出たらどうすんだ?!」
「大丈夫、陽介は俺が守るから…
だから………ちょっとじっとしてて?」
「ば、バカ…ちょ…守るとか…ひゃ…っ…
お、おま…真昼間から何考えて…っ…」
「大丈夫…俺いま、陽介のことしか考えてないから」
だから俺からの様子にも、もっと注目するように。
俺がそう言うと、陽介は真っ赤になって
少しだけ大人しくなった。
本当に可愛いというかなんというか…
お前を見ているとそんなことばっかり考える。
お前は今の俺の中身の全部。
きっとそんな感じだ。
だからあれくらいで死んだら困るんだ…
俺はきっと迷わず後を追うだろうから。
「悠?」
「本当、困るよ…」
俺は俺自身の変わり様と、
きょとんとした陽介の様子を見て笑うと、
やわく陽介の華奢な体を抱き締めた。
大事な人だと心から思う。
傍にいると幸せになれる。
俺をそんな風に変えてくれた
お前に出会えたことに
今、とても感謝しているから。
だから、俺はいつも
お前のことばかり考える。
それが今の俺の幸せ。
「本当に、俺はお前ことばっかりだ…」
Fin
私はGをウッカリ、手で掴んだことがあります
(ぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞ;;)
あまりのことに床に叩き付けましたが(笑)
またまた大学生編でしたー
そりゃ、2回も邪魔されたら
センセイだって怒るよねーみたいな(苦笑)
楽しんで頂けたら倖い。