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【僕がいちばんほしいもの】

バレンタイン創作ー 陽介視点っす!
お題は『彼シャツ』だった…ハズ…;;;
いやーーー 行き詰った原稿に活力…
じゃなくて…えっと…;(目逸らし)

彼シャツ

約束

ほしいもの

な、感じで。
いってらっしゃしませ。



以下、拍手お礼(該当者様反転推奨)


arisaさんへ

お待たせしております;;
いらっしゃいませー(*´▽`*)
ね!どんな顔してチョコ買ったんでしょうかね!
ブッカブカの彼シャツはただの思いつきだったんですが
楽しんで頂けてなによりです!!!
次も頑張ります(*´∀`*)ノ
コメントありがとうございましたvvv


拍手[1回]








目に入ったのは一枚のシャツ。
白くてシワ一つ無い。
 


「ちょ…おいおいおい…お、おかしくねー? これ…っ」
 


洗濯し終わって綺麗にアイロンをかけた後の
八高の制服のシャツ。
 

堂島家の居間のテーブルに綺麗に畳まれて置いてあった。
当の持ち主は畑の様子を見に行ってくるといって
庭へと回っていった…外は雪が降りそうなくらい寒い。
 

俺は無意識にそのシャツに手を伸ばした。
 


「すっげー…ブカブカ…」
 


無許可に着てみたシャツ。
多少の体格の違いは覚悟していたけれど
それは思ったよりも随分ブカブカで。
 


「ん…なわけ……ねーとは言いづらい…」
 


確かに体格は違うし、
その…俺は元々、肉が付きづらい体質とゆーか。
 

そ、それにしたってコレはあんまりだ。
男としてのプライドが…。
 

あまりのことに、悠の匂いを嗅ぐとか
お約束な、そういうアレ的なロマンとか
色気とかへの余裕もないまま唸った。
 


「びっくりするくらいブカブカだな…」
 

「うお?! 悠?!」
 


余りのことに茫然としていると、
後ろから突然声をかけられる。
 

シャツの持ち主が畑から
帰ってきたのだった。
 

俺の様子を見て、物珍しそうに
口に手を当ててジロジロと見る。
 


「食べてる量が足りてないんじゃないのか?」
 

「ち、ちゃんと食べてますうぅぅ!」
 


俺が咄嗟に言い返すと悠は『ふーん』と面白そうな顔。
それを見てなんだか面白くない俺がそっぽを向くと
ワザと顔を合わせるように向き合ってまた笑う。
 

益々面白くない俺が逃げるように
背中を向けると今度はぺたぺた触るから
なんだかこそばゆくて体を捻った。
 


「ちょ…悠…さわんな…っ」
 

「ふーん……で、感想は?」
 

「へ???」
 

「彼シャツ的なシチュエーションだけど?」
 

「な…?! お、おま…エロい!」
 


俺が騒ぐとまた面白そうにニヤリと笑って
言い返してくる。
 


「洗濯したばかりのシャツにシワを付け、
       あまつさえ無断で着ておいて?」
 

「うううぅぅぅ…すみません…」
 


そりゃそうだ…なんとなく手を伸ばしたと言えば
仕方なしなのかもしれないけれど、
せっかくのシャツを台無しにしてしまった。
 

咄嗟に謝る俺を見て悠は苦笑すると、
少しだけ不思議そうな表情をして聞いてきた。
 


「なんてな…別にいいけど、どうして着てみようと思ったんだ?」
 

「いや…なんか…その……」
 

「ん?」
 


近すぎる距離に俺だけが
ドキドキしているみたいで気に入らない。
 

でもどうしても目が離せなくて、なんだか見られるだけで
問い詰められてるみたいな気持ちになって
俺はお前へと正直にぶちまけた。
 


「ゆ、悠の匂いとか、しねーかな…とか…」
 

「陽介……」
 

「う……だ、だってさ…」
 

「うん? だって?」
 

「う……ううぅ…その…っ…うー…い、いい匂いだった…し…その…っ」
 

「……陽介、それはバレンタイン破廉恥ルート解禁! みたいな?」
 

「ばば、バカか! ちげーっつーの! なんでそーなんだよ?!」
 


人がせっかく素直に…って俺が唸ると、悠は苦笑いしながら
俺の跳ねた髪の毛を軽く引っ張って言った。
 


「俺も陽介のシャツとか欲しいな…」
 

「は? ははは、入るわけねーだろ???」
 

「ん…まぁ、それはそうなんだけど、それはそれとして…」
 


そうしてニヤリと笑う仕草が、
いつもより少しだけ寂しそうに見えたのは
俺の目の錯覚だったのかもしれないけど。
 

でも、ぽつりと落とした声が居間に響いて
俺の耳と中身にも同時に深く響く。
 


「記念とかさ…欲しいかな」
 

「あ…えっと……それは…」
 


もうすぐ帰るから。なんて
付け加えなくたって分かってる。
 

俺が、らしくなくお前のシャツ羽織っちゃってる
理由も実はそこにあるわけで。
 

寂しく感じる距離を振り払うみたいに
俺は制服の上着にねじ込んで持ってきていた
とっときのアイテムを悠の目の前に突きだした。
 


「ほ、ほら! これやるから、シャツは諦めろ!」
 

「え? チョコレート…?」
 

「だ、だから…記念とか思い出ってやつ…で、しかも
   俺が初めて買ったバレンタインってヤツだから…その…っ」
 


いやいや…俺、それじゃそんな付加価値ねーだろ。
俺が渡したチョコレートごときにそんな
すげー思い出つくれる様な
すげー効力なんてあるわけがない。
 

しかも、しっかりジュネス包装紙だし…
つーか、バレンタインなんてこの辺じゃ
ジュネスしかやってねーから仕方ないんだけどさ。
 

俺は苦し紛れに渡してしまった悠の手の中の
必殺のアイテムをうらめしそうに眺めた。
 

すると、渡された格好のまま
茫然としてその必殺アイテムを
手の中に包んで見つめていた悠が口を開く。
 


「すごい記念になった」
 

「は? え? うそ?! マジで?!」
 

「うん、きっと一生忘れないと思う」
 


そう言って、本当に嬉しそうに笑うから
例え建前やおべっかだったとしても
俺は嬉しくなってしまった。
 


「まぁ、シャツも欲しいんだけどな」
 

「だ、だから…俺のシャツじゃ、お前は入んねーだろ?」
 

「いや、着るとかじゃなくて」
 


着るんじゃない? じゃあなんなんだ? と
俺が聞き返すと悠は楽しそうに
まるで悪戯を考え付いたみたいに答えた。
 


「俺の実家来たときの、陽介の寝巻としてとか…どう?」
 

「は?! はははははは…ね、ねま……ねま…ね…ねねね…」
 

「陽介、噛み過ぎだから…舌噛むって…」
 


そう言って笑うと、悠は俺の頬をむにってして
掴んだ手はあくまで軽くだったけど、結構容赦なく上下に引っ張った。
 


「ふぃ…っ…ちょ…ふゅうーーーっひてぇって…!」
 

「陽介……何か月かかってもいいからさ、約束しないか?」
 

「う………ふぇ?」
 


途端離された手指の感触が頬に残って、
俺が思わず顔を上げると、ニヤリと笑ったはずの笑顔が
伺うような表情に変わった。
 

それから目が離せなくなった俺がじっと見つめると
それに気づいたのか、悠は絞る様に笑った。
 


「お前が来てくれるなら…だけど…」
 

「ば…バカか…お前…ホント分かりづれーー…っ」
 


今度はこっちに来てみないか?って
すげー遠回しなお誘いってやつ。
勿論、二つ返事で行くって答える。
 

そんなの聞かなくたって分かってんだろ。
俺がチョコを渡した意味をちゃんと考えろ。
 


「分かりづらすぎだ…そんなの約束無しでも押しかけてやる」
 


寂しいなら寂しいって言え。
そういうのもたまには欲しいっつーか。
俺がモゴモゴ口の中でどもりながら文句を言うと、
悠は今度は嬉しそうに笑って俺を見た。
 


「それに…そ、そんな何か月も待たせるつもりねーし…っ」
 

「ほう…」
 

「な?! んだよ…無理だって言いたいのか?」
 

「違うよ…俺がきっとすごく寂しいだろうか、だからなるべく早く来い」
 


ニヤリと笑って、すごい首長くして待ってるから。って
すげー態度でけー…さすがセンセイ。
 

またそうやって俺を期待させて、
お前も俺に期待して。

 

でも、そんな感じで俺達は回ってる。
 

 


「悠…」
 

「ん? なに?」
 

「ね、寝巻は別に渡しとく…から…っ」
 

「はいはい」
 


『だから絶対約束だから』って俺が言うと
またいつも通りニヤリと笑って
俺へと返すから、俺もいつも通り笑って返す。
 

そうやって心地良いやり取りを返し続ける。
それが嬉しくて仕方ないから、また続ける。
きっとこれの繰り返し。
 

与え、与えられて。
ずっと。
 

 

「でさ…陽介」
 

「ん? どした? 悠」
 

「それ…いつ脱ぐんだ?」
 

「うえ?! うおおぉぉ…」
 


俺があまりにテンパっていて、
つい『い、いい匂いだったので…』と
迂闊に口にした。
 

するとニヤリといつも通り…とゆーか、
いつもよりも数段悪そうな笑いを浮かべる悠がいた。
 

俺はそれを見て『しまった!』と驚愕するも後の祭で。
 


「そうか、俺に脱がせて欲しいのか…わかった、任せろ」
 

「うお?! ちょ…ち、ちげーっつーの!
      ば、バカ…! ちょ…違うトコ脱がすな!」
 


コタツが置かれた暖かく穏やかな部屋の中で発せられるには
ふさわしくないほどの大声で、俺は叫んだ。
 


「大丈夫だって、はいはい…怖くない怖くない」
 

「だーー! ち、ちげーっつーの! 怖いとかじゃねー!」
 

「ん? じゃあ、なんなんだ?」
 

「そ、それは……」
 


悠はそれを面白そうに見ていて、
俺は少し照れくさいのと、
お前とじゃれあう時間がやっぱり嬉しくて
顔を真っ赤に染めていつも通りの反応を返してしまう。
 


「は、はずかしーっつーか…その……」
 

「陽介……」
 

「う……な、なんだよ…」
 

「……今更?」
 

「だーーー! わ、悪かったな! 悪かったな!
 はは、恥ずかしいもんは恥ずかしいんだっつーの!」
 


真っ赤な顔のまま、俺は悠の手を払いのけて
後ずさると、そう叫んだ。
 

悠は『なるほど』と分かったような
分かっていないような表情で頷くと
上着のポケットから何やら甘ったるい匂いの
物体を取り出して言う。
 


「じゃあ、俺もちょっとだけ恥ずかしいから……」
 

「お、おう……?」
 

「商店街のおばちゃんから貰った、
   ウイスキーボンボンを食べて気を紛らわそうと思う」
 

「うああああ! だめ! ソレだめ! ゼッタイ!」
 


いつの間にか持っていたウイスキーボンボン。
あまりに危険すぎる物体に俺は慌てて
悠に飛び掛かかり、手からソレを奪い取る。
 

すると『かかった!』とばかりに
ニヤリと笑う顔が近づいてきたのが見えた。
 


「なんてったって、陽介の『初めて』を貰えたわけですし」
 

「ば、バカ! そういう言い方すんな!」
 


『俺も力が入るわけです…』なんて言う悠を見て
『それってチョコのことだろ!』と俺が返すと
悠はまるで猫がじゃれるみたいに俺の襟首に顔を埋めて
『お返しはなにがいいんだ?』『全力で応えるよ』と囁く。
 


「陽介が欲しいものは?」
 


響く声で名前を呼ばれて。
実は俺はそれだけで落ちるのに。
 

お返し? 全力? お前実は全然分かってないだろ?
 

そんなわけが無いと思ってるお前が
なんだか意外と鈍感過ぎて俺はちょっと笑ってしまう。
 


「俺が欲しいのは…」
 


横目で窓の外を見ると、いつの間にか雪が降り始めていて。
畳も窓も空気も結構冷え込んで来ていて。
 

暖かいのは抱き合って座っている俺達だけで。
 

雪が降っているせいか、なんだか全部が静かだから
世界に俺達二人だけのような錯覚を起こす。
 

だから俺が一番欲しいものが、今、俺を抱きしめていると
気づかないお前がなんだかちょっとガッカリなんだけど。
 

俺はそんな距離もまた嬉しくて、
お前の真似してニヤリと笑うと
俺が一番欲しいものを言ってみた。
 


「俺は…」
 

 

Fin
 











やっぱり出遅れた感ひしひしとする(苦笑)
なんとか前日に上げたかったんですけど間に合わず;;
あわわわ;;;

MYお題は『彼シャツ』だったんですが…
なにがどうしてこうなったーーー???;;
慌ててUPしてるので誤字脱字あったら
後日修正しまス;;;(殴)

楽しんで頂けたら幸い。
 

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