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【僕たちのポッキーゲーム】

11月11日!ポッキーの日!
とゆーわけな主花創作ーーー
大学生編ですー

ポッキーゲーム

悪酔い

赤の他人

な、感じで。
いってらっしゃいませ。

拍手[0回]

 

 

 


 


「悠! たっだいまーーーーーー!!」


「ああ…陽介、お帰りって…お前」


「あはは! どうだー! 酔っ払いだー!」


「…はぁ…分かったから、ほら部屋入って」


雨の日の深夜、大学の飲み会からの帰宅。

酷く酔った俺は、おぼつかない足取りで
悠の待つ部屋へと帰り着くと、
玄関先で出迎えてくれた悠へと
指差してバカ笑いをする。


「うはは! このイケメンめ! 覚悟しろー」


「ちょ…陽介」


俺はふらふらする視界でなんとか悠を認識しながら
その白い手首を掴んでぐいぐいとひっぱる。


「なんだよ? どうしたんだ?陽介」


「んー別にーーあはは! すっげーフラフラするー」


お前がこんなに酔うなんて、と
悠が体を支えながら言う。

そりゃそうだ…別に酒に強いわけじゃねーけど、
普段ここまで俺は酔わない。

珍しい深酒には理由があって、
俺はそれを思い出すたびに情けない気持ちになった。


「大丈夫か? 陽介」


心配した悠が困惑した表情を見せるたび
俺は先ほどまで一緒だった
飲み会の参加者のヤツらの言葉が
ぐるぐると脳内を回る。




『ねえねえ! 鳴上くんって彼女いるの??』


『花村も大変だな? 先越されちまったら肩身せめーだろ?』


『性格とか違い過ぎて疲れんじゃね? ああいうのはさー』

 


彼女? 恋人ならいますよ?君の目の前に。

肩身が狭い? つーか、捨てられたら俺の方が発狂します。
きっと毎日泣いて暮らします。

性格? お前が悠の何を知ってんだよ?
毎日すげーカッコよくて、
んでもって時たますげー可愛いんだっつーの。

みんなして、勝手なことばっか言いやがって。

 

 

「ほれほれ、悠さんへお土産のポッキーでーす!」


その言葉を振り払うみたいに
手に持った赤いポッキーの箱を
手元でブラブラさせて悠へと見せる。

怪訝な顔をしてそれを見る悠に
飲み会でのあまりモノを貰って来たというと
なんとか納得してくれた。


ホントは

『あまりものなんだけど、コレ鳴上くんに…
     それと次は絶対、鳴上くん連れてきて?』

なんて女子達に言われちゃっただけなんだけどな…。


そうしていると、
俺の手の中の真っ赤なポッキーの箱を
凝視した悠がとんでもないことを言い出した。

 

「まさか……コレで誰かとポッキーゲームとかした…とか?」


「は?! な、なんでそーいう思考に??」


そこまで言ってはたと思いつく。
ちょっとした意地悪をしてみようか?
なんて俺らしくない思考が浮かんだ。

いつもちょっかいだされてばかりだから
今日ぐらいはいいよな?なんて色々言い訳して
俺は酔った勢いも手伝ってか、悠の言葉を半ば肯定した。

 

「え? あーどーかなーなーんちゃってー
          あははははって…え? 悠??」


「あ、そう…したんだ? ポッキーゲーム」

 

開封済みのポッキーの箱を見て
ぼんやりと呟くと、俯いて何やらお考え中の様。
なんかじわりと背中を舐める嫌な予感がした。

 

「あ、あれ?? もしかして…悠さん、怒って…ます?」


「さあ?どうかな? 今、俺の心の中はどんなかな?
              予想してみようか?陽介さん?」


夜中という時間帯にふさわしくない程の
さわやかな笑顔で、俺へと切り返す。

ひぇ…ちょ、ちょっとまずいぞ?
あれ?機嫌悪かったか?? え?

悠がポッキーゲーム如きにこんなに
反応するとは思っていなかった俺は
過剰な反応に一気に酔いが醒めた。

 

「うぇ?! ちょ…ま、待て! してない! してません!
         ポッキーゲームなんて絶対にしてません!」


「もう遅い…この地雷屋が…」

 

問答無用。
そんな言葉が頭に浮かんだ。

途端、俺が背にした玄関ドアへと悠が勢いよく手を突くと
ドアはへこむどころか粉砕されちまうんじゃないかって
くらいの音を悲鳴の様に立てる。

 

「ちょ…悠、もう夜中…っ」


「日付越えて帰って来て、
  一番始めのご報告がポッキーゲームか?」


「ちょ…ちょちょちょ…
      ま、待てって! ホントしてねーから!」


焦る俺に、湯気が立っているのが見えるほど
怒り心頭の悠。

完全に選択肢を間違った俺は
ただただ慌てるばかりで、
悠をなだめることだけに必死になった。

 

「日付越えても待ってた俺の立場は? というか、気持ちは?」


「い、いや…だから…っ…え?待っててくれたの? って、うああぁっ」


「色々心配してたんだぞ?帰ってくるの遅いし、今日は雨だし」


「う、うぇ…そ、それはその…」


「濡れて寒い思いしてないかとか、世の中物騒だし大丈夫かなとか、
               そもそもちゃんと食べたかな…とか、色々」

「ご、ごめん」


「…いいよ、陽介が無事ならなんだって」


途端、ゆらりと揺れるみたいに苦笑いすると、
そのまま俺の肩口へと顔を埋めた。

怒り治まった?と俺が安堵した途端、
ビックリするくらいの速さで、俺の体を軽々とひっくり返すと
そのまま自らの小脇へと抱えて踏み出した。

 

「ちょ…悠! なにす…っ」


「ちゃんと食べてきたのか?」


「た、食べてきたって! ちょ…うわあああぁぁ」


「五月蠅い…黙れ、人の気も知らないで」


悠の小脇に抱えられたまま
玄関廊下を強制的に抜ける景色を
おかしな角度で見る。

そうこうしているとリビングにある
ソファへと投げ込まれた。

ボムっと俺がソファへと落ちる
鈍い音が聞こえる。

 

「ちょ?! ゆ、悠?」


「…おかえり、陽介」


「う……ただいま、悠」


手荒なおかえりに、逃げ腰のただいま。
妙な挨拶を交わすと、お互いに思わず噴き出した。


「これを一番に言いたかったのに、陽介が余計なことを言うから」


「う…お、俺だってたまには酒に飲まれることもあるんです…」


「ふーん…飲まれたんだ? 酒に?」


「な、なんだよ?」


「よっぽど楽しかったみたいだな」


「た、楽しくなんかねー」


「そうか?」


すごい楽しい思い出だったみたいじゃないか?
なんて、目を細めて言うから
俺はそれを必死になって否定した。

悠はその様子に何か気づいたのか
黙って俺の言葉を聞いてくれる。

 

「た、楽しくなんかなかったっつーの」


楽しい会なら、こんな悪酔いしてねー。

俺らしくない真似して
お前を困らせてねーだろ。

お前がすげーのは出会ったころから変わらないし、
お前の良さがそれだけじゃねーのは
俺が一番分かってる。

だから、お前のことを何も知らない
赤の他人がお前をどうこういうのは
耐えられない。

これは多分、ヤキモチ?
いや…どうなんだろう。

自分でもよく分らない感情の波に
俺はぐるぐる余計なことばかり考える。

ホント、俺ってバカだな。

 

 

「陽介…この後、ポッキーゲームでもしようか?」


「まだ根に持ってんのかお前…
        してないって言っただろーが」


俺の言葉を聞きながらも
ニヤリとワザと笑って言う悠を見て
俺は脱力する。

ぜってーワザとだな? 悠?
話題変えようとしてくれてんのは
分かるんですけど、なんでその方向なんだよ…。

俺は内心苦笑して、目を細めつつお前を見た。
悠はそのまま俺の手を取ると
優しい笑顔で俺へと迫ってきた。


「ん? まぁ、信じるよ? けどさ…それとこれとは別だよな?」


「え? な、なにを…」


酒くせーだろう俺に、悠はまるで宝物に
触れるみたいに優しく手を伸ばしてくる。

髪を撫でてみたり、触れるくらいのキスをしてきたり、
果ては首筋を甘噛みしてみたり。
そんな感触がくすぐったくて俺は身をすくめた。


「ちょ…悠…俺いま酒くせーし、
  周りでタバコ吸ってたヤツらいたから結構臭うし…っ」


ダメだダメだと、抵抗しても
抗うことなんて出来はしないだろうけど
俺は気恥ずかしさのあまり身をくねらせる。

悠はそんな俺が面白いのか、
ニヤニヤしながらも手を止めない。


「酒くさくて、タバコくさい陽介を、堪能しようと思います」


「ば、バカ! ちょ…待てって! あ!」


抵抗しようと後ずさる俺の下で
なにかボキっと嫌な音がする。

見ると、俺の手の下で無残に粉砕された
さっきのポッキーが見えた。

 

「うわー…ガッカリ」


「るっせーーー! ワザとじゃねーんだよ!!」


「せっかく陽介とポッキーゲームしようと…」


「しません! しつけーし!つーか、お前根に持ちすぎ!!」


俺は天井に届くんじゃないかってくらいの勢いで叫んだ。
すると途端、唇を塞がれて押し倒される。

 

「陽介、もう夜中だ…」


「う…ちょ…悠」


「ん…誰に何言われたのかは知らないけど、
              俺はお前が好きだよ?」


「ば、バカ…心の中読むな…っ」


俺が唸ると、悠は笑いながら
陽介は分かりやす過ぎだ…とか、
そもそも陽介があんなに酔うなんて
おかしいと思ったんだ。
とか、そんなこと言って笑う。

なんだ全部バレていたのかと俺はやっぱり
気恥ずかしくなるんだけど、俺を分かってくれる
この距離が嬉しくてニヤけてしまうのを止められなかった。

 

「で…何を言われたんだ?」


「う……い、言えるか!」


「そうか、なら…ゆっくり吐かせるだけだな? 陽介」


「ひぇ…ちょ…悠!! 待てって!」


「待たないし、待てない…それに今日は結構待った方だ」


そう男前に答えると、
そのまま俺に覆いかぶさった。


「俺、好きだよ? そういう陽介も」


「ば、バカ…」


その言葉を聞いて
泣きたいくらい安堵した自分を
自己嫌悪しながらも
俺はお前が好きだと言ってくれたことが
それに勝るくらい嬉しくて。

降らせるみたいなキスをくれるお前の髪を
撫でながら、そのまま目を閉じた。

 

 


「そういえばさ、今日はポッキーの日らしいですよ…悠さん」


「ああ、そういえばそんなことTVでやってたな」


「悠…このポッキー、あとで二人で食べような?」


「ポッキーゲームで?」


面白そうに返すお前に
俺は少しのバツの悪さを感じて苦笑い。

めちゃくちゃに折れてしまったポッキー。

ホントはさっさと食べちまって
メンドイ記憶を追いやってしまいたかった
だけなんだけど。

こうなったらチューだろうが、
ポッキーゲームだろうがしてろうじゃん?
お前が楽しいならなんでもいい…
そんな気さえするから。

俺の自慢の、俺だけのお前の為に。

 

 

「しちゃいますか? ポッキーゲーム」

 

Fin





 


 


 

折ってしまったポッキーは
後で二人で美味しく頂きました的なネタで(苦笑)

ギリギリ間に合った?
いや…当日UPはダメ??;あわわ;

MYお題は『壁ドン!』ならぬ、『ドアどん!』と、
診断メーカーで出た『折れたポッキー』(笑)
野望達成(笑)

楽しんで頂けたら幸い。

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とりあえず、色々ダメな人。

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