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【マイ・スイートダーリン】

陽介20歳お誕生日創作!
大学生主花:誕生日前日に風邪で寝込んだ陽介。
看病しようとやってきた主人公に陽介は? 

ちょっと(UP時間は早いけど)陽介!お誕生日おめでとう!( ´ ▽ ` )ノ
まぁ、なんで風邪ネタかってゆーと、私が先日まで
大風邪ひいて寝込んでたからんですけどね…(目逸らし)

バタバタしてて;;もしかしたら後日修正するかもです;
前々回?の創作とは繋がってないです(苦笑)


拍手[2回]








「やっぱり、予想通りか……」

俺は部屋の奥で最初に見た光景に独り言ちる。



明日は2014年6月22日。
花村陽介、20歳の誕生日。

俺にとっても陽介にとっても
結構大切で特別な日で、毎年忘れず祝ってきた日。

今年は更に20歳となる記念の日。

そんな日の前日、陽介の大学の友人たちから
ここ数日、陽介が風邪をひいて寝込んでいるという話を聞いた。

連絡がなかったから
なんとなく嫌な予感はしていたけれど…まさか……。

今は回復したが、どうやらだいぶ酷かったらしくて、
まともにモノも食べられていなかったらしい。

そんな状態なのに電話もメールもくれなかったとか、
そもそもそんな状態じゃないのか? とか、
もしかしたら救急車レベルか? とか
らしくなく色々焦るからいつもよりも思考が定まらない。

そんなことを考えながらバイトとか講義とか
色々忙しくこなして気が付くともう時間は夜遅くを回っていて。
俺は慌てて身支度を済ませると陽介のアパートへと向かった。

近くのコンビニで思いついたモノ数点の買い物を済ませ
アパートへと向かう途中で、ポケットの中の合鍵を握る。

自分で思っていたよりも焦っていたのか、手の平には
触れてわかるくらいの汗が出ていて、握った合鍵の感触に目を細めた。

預かっていた陽介の部屋の合鍵。
貰った時には正直嬉しくて、それと同時にお互いに照れくさかったけれど。
その初めての出番が、まさかこんな日だとは予想もしていなかった。


アパートに辿り着き、階段を上がると見知った部屋の扉が見える。
手に持った合鍵でいささか差しづらい鍵穴に少し戸惑いながらも、
力を入れて鍵を差し込むとゆっくりと扉を開けた。

軋む音を響かせながら扉を開けるけど、中からは物音一つ聞こえない。
電気の消えた室内へと細心の注意を払いつつ
歩みをするめると荒い寝息が聞こえて来た。

「こっちか……」

勝手知ったる恋人の部屋。

何度も来たことがあったから
迷わずベッドのある部屋へと進む。
すると予想通りの寝込んだ状態の陽介がいて、
胸を上下させ荒い呼吸の状態で眠っていた。

「陽介……?」

正直、返事を期待してはいなかった。
けれど衝動的に名前を呼んでしまったのは、
その姿があまりにも苦しそうで仕方なかったからかもしれない。

「やっぱり、予想通りか……」

俺は部屋の奥で最初に見た光景に独り言ちる。

しゃがみ込み、陽介の顔色を覗き込む。
大粒の汗をかいている額にハンカチを当て汗を拭おうとすると
前触れもなく陽介の目が開いた。

「え…悠? なんでいんの…?」
「…昨日からメールしてるのに音沙汰ないから、陽介の大学の友達に聞いたんだ」
「そっか……悪ぃ……俺、風邪ひいちまった」
「うん、見ればわかる」

『これじゃ誕生日とかってさすがに無理だな』って
申し訳なさそうにする陽介を見て、俺は曖昧に笑って誤魔化す。

「来るの遅くてごめん……バイトとか講義とか立て込んでて」
「え? いや……お、俺言って無かったじゃん? いいよ…」
「うん、全然知らなかった……寝込んでるなんて」
「あ…うん、ごめん……っ…ちょっと色々あってさ……」
「そうか……」

確かに色々用意をしてたんだ、誕生日プレゼントや手料理とか本当に色々。
だいぶ前から陽介も時間を空けておいてくれて、俺もそのために全部を調整して…。
さて今週末だ、と意気込んでいたのに。

でも、そんなことよりもっと大切なことが俺の中にはあって、
俺はその大切なことが色々と納得できない為にぐっと言葉を飲み込んだ。

「悠? どうした?」
「いや、なんでもない。ほら、寝てろって」

様子のおかしい俺をよく見ようとしたのか、
ぼんやりした瞳のまま半身を起して何やらやろうとしている。
そんな陽介を制して俺が再びベッドへと促すと
陽介は不貞腐れた様に呟いた。

「なんかお前、怒ってねー?」
「うーん、怒ってる……かな?」
「わ、悪かったって。今年の俺の誕生日、色々と用意してくれてたんだろ?」
「……いや、そういうことじゃない」
「じゃあ、なんなんだよ」

歯切れ悪い俺に焦れたのか、陽介が充血した目で
俺を見て問いの答えをせがむ。
俺はため息と一緒に胸から言葉を吐き出した。

「……あのさ、なんで頼ってくれなかったんだ?」
「は?」

こんな大変な時にこそなんで俺を頼ってくれないのか…
携帯・電話……この時代、連絡方法なんていくらでもあったはずだ。

そもそも、恋人が寝込んでいるのに、それを知らないなんて…。
俺が苦々しい視線で再度問いかけると、さすが相棒
瞬きと共に悟ってくれた様で、それと同時にまるで俺とシンクロする様に
苦々しい表情をして眉をしかめた。

「だ、だって仕方ねーじゃん……カッコ悪ぃし、せっかくの誕生日前日にコレって…」
「けど、こういうときこそ頼って欲しいんだよ」
「いや、だから……カッコ悪ぃって言ってんじゃんか…っ」
「……俺に頼るのがカッコ悪いのか?」
「は!? 違…だから…っ…おまっ……そーいうのが嫌なんだって!」
「嫌って……」

嫌ってなんだ? 俺が嫌? 
ああ…とうとう……愛想尽かされたのか。
なんだ、そういうことだったのか。

ああ……なんということだろうか。

それはそれは絶望的な思考が
鈍器で殴られたような衝撃と一緒に
這い寄る様に俺の背中を撫でてきて。
俺の呼吸と思考は、凍える寒気と共に一気に止まった。

「そうか、嫌か……」
「ち、ちげー! だから…そーいうことじゃなくてっ……ゴホゴホ…っ」
「……ごめん、もういいから寝てて」

俺の様子を見た陽介がまた何かを悟った様で、
慌てて声を上げ俺を必死の形相で見た。

「よくねーって! お前ぜってー勘違いしてんだろ!」
「いや……勘違いでもないんじゃないか?」
「勘違いしてるって! ぜってー勘違いしてる! おま…っ
 だからお前は……俺ばっかりじゃダメだっていつも言ってんじゃんか!」
「だから、嫌なんだろ?……ほら、病人はちゃんと言うこと聞いて」
「おま…び、病人の言い分の方ほうを聞け!
          風邪ひいて切羽詰ってんのは俺だっつーの!」
「……わかった」

咳き込む体を無理やりに起こしながら俺を睨み付けると、
一転顔をぐしゃぐちゃにしかめ泣きそうな表情に変わる。

「俺さ、明日で20歳なんですよ」
「知ってる。同い年だし」
「だから……お前に頼らない俺になりてーの、風邪くらい一人で治してみせてーの」
「……俺、いらなくなった?」
「ば…っ…おま……ホント、ダメ……なんでそーなんのっ!?」

パタリとベッドへと倒れこむ。
俺は陽介のその様子をぼんやりと眺めながら
息苦しいまま呼吸を数えるみたいに、なんとか言葉を引きずり出した。

「……俺に頼らないってことは、頼りたくないってことだろ?」
「頼りたくないってワケじゃ…って、あー…もう! なんでお前はいつもいつも…」

陽介はそう言って眉をしかめると、
熱で潤んだ瞳で俺を見上げた。

「俺、お前の隣に迷わず立てる様な俺になりたいんだよ……」
「そんなの、もうなってる」
「なってねーって……今回だって、ホントは真っ先にお前に連絡しようとしてたし」
「連絡……欲しかったけど?」
「だから……そーいうのが…ダメなんだって…」

ベッドの中で唸る陽介を見て
何を言わんとしているのかなんとなくは分かるんだけど、
それよりなにより、俺はやっぱり頼って欲しかったみたいで。

「なんか、俺……馬鹿みたいだ」
「は? 悠??」
「だってダメだって言われたって……どうすればいいんだ?」

俺が陽介を甘やかすのを止めたとして、
その他は一体何が出来るんだろう? と考えて。
俺が出した答えはたった一つだった。

「……キスしようか?」
「は? ちょ…悠…っ」

寝ころんだままの陽介の唇目がけて何度かキスをする。
最初は触れるくらいに、次は這わせるみたいに。
最後は全部、奪うみたいに。

「う……風邪、うつる…ダメっ……やめ…ちょっ」
「嫌だ、やめない。大丈夫だから……」
「だ、大丈夫って……んん…っ」

何度も何度もキスをする。
やわく抵抗する陽介の手を掴んで、
陽介の中に俺を刻むみたいに何度もキスをした。

「ん……」
「ちょ…ふぁ…」
「まだ、もう少し…っ」
「ば、バカ…ちょ…っ」

このまま全部欲しいなんて、卑猥なことを考えながら。

するとパチンと乾いた音を立てて、俺の額が叩かれる。
薄く目を開けると、怒った顔の陽介がいた。

「う、うつったらダメだろ! バカ! バカバカ!」
「陽介辛そうだから、風邪もらって帰ろうと思って」
「ば…お、おま……」
「看病も心配もさせてくれないなら、貰って帰る。そうすればきっと治るよ、陽介」
「バカ! おま……ホント、俺のことに関してはすげーバカ!」
「うん…だね。そうかも……」
「な、納得すんな…!」

だってこんなに辛そうだから、一瞬でも早く取り除いてやりたくて。
だから俺にできることと言ったら、これを貰って帰ってやることだけで。
俺がいらないなら、俺がお前にしてやれるのはこれくらいで。

俺がそういうと、陽介は先程よりも
真っ赤に顔を染めて更に怒って言った。

「そ、そんなの俺が嫌だ! 風邪をお前が貰って帰って
 今度はお前がつらいとかって…お前がつらいのが俺のせいだなんて、俺は嫌だ!」
「陽介……」
「う、うつるとか…うつらないとかの問題じゃねー。俺は…っ」
「……」

烈火のごとく怒るとはまさにこのことかもしれない。
いつもの温厚な陽介はどこかに消えてしまったみたいで、
目の前の陽介は真っ赤な顔のまま、瞳さえも真っ赤に染めて怒っている。

「俺は…っ…お前が嬉しそうに誕生日の用意してくれてること知ってたから
    お前をガッカリさせたくなくて、一人でどうにかしたかったんだよ!」
「それは分かってるけど……でも、俺は……」
「あ゛あ゛ーー!! もういい、帰れ! バカ!」
「……わかった、帰る」

お前に『帰れ』なんて言われて、俺がそのままいられるワケもなく。

陽介のために何かしたくて来たのに
結局は怒らせただけだったな…って後悔ばかりがグルグル回る。

俺の中身はまるで、死刑宣告を聞いた被告みたいな心境で。

地獄を歩く亡者の様に唸るような呼吸でなんとか体を支え、
打ちひしがれた背中を丸めて立ち上がろうと膝に力を入れた。

「ごめん、帰るよ。ゆっくり休んで。本当にダメなら俺以外の誰か呼ぶんだぞ?」
「……」
「じゃあ……」

立ち上がろうと腰を浮かせる……すると俺のシャツを掴む何かがあった。
見ると、布団から出た手が俺のシャツを皺が出来るんじゃないかってくらい
しっかりと掴んでいて、それと同時に布団の隙間から顔を出した陽介と目が合う。

「……陽介?」
「ごめん……傍にいて。俺、やっぱりお前がいい……」
「陽介……」
「ホント、ごめん……バカでごめん、傍にいて……」

熱で潤んだ瞳で見上げて来る仕草のまま
『風邪ひいて心細い』なんて、そんな言葉を投げてきた。

「強がってごめん。何もこんな日にって俺、すげー悔しくて……」
「いいよ……陽介だし」
「なんだよそれ……」

陽介は俺の言葉を聞くと泣きそうな表情で笑った。
『超情けねー』とか『カッコ悪ぃ』とか、愚痴愚痴と泣きながら言う。
それを見て、俺はやっぱりグルグルと考えてしまうんだけど
最後に行きついたのは『やっぱり、好きだ』って気持ちで。

風邪とか熱とか涙とかで、色々と酷い有様の陽介の髪を
この上なく愛しく思い、優しく梳く様に撫でて言った。

「わかった、傍にいる」

本当に俺は陽介に甘くて、弱くて、どうしようもない。

たった一言『傍にいて』って言われたくらいで
さっきの地獄が天国の様に美しく見えて。

それどころか、さっきまでのやりとりが全部帳消しになってしまうくらい。
『やっぱり好きだ』って、『誰よりも大事だ』って思ってしまう。

本当に俺は陽介に甘くて、弱くて、どうしようもない。



「ごめん、悠……きっと俺、すげー甘える……いいか?」
「もちろん。どうぞ、喜んで」
「ば、バカ……」

そのために来たんだって言うと
また泣きそうな表情で顔をぐしゃぐしゃにした。

「大丈夫、傍にいる。俺にして欲しいことを教えて、陽介」
「……お前が作った、お粥が食いたい」
「うん。腕によりをかけるから」
「…お、お前の手で手厚く看病とかされちゃいたい……」
「もちろん」
「お前にこれ以上なく甘えたい……っ」
「喜んで」
「んでもって、お前の……お前の……っ」
「うん?」

饒舌だった言葉が途中不自然に掻き消えて、
苦しそうな呼吸と一緒に、ボソリと一言本音が俺の前へと流れ出た。

「お前のこの後の時間、全部欲しい……」
「……陽介?」
「今年の俺の誕生日祝いそれでいいから、お前のこの後の6月22日の全部が欲しい」
「分かった」
「ごめん……俺、やっぱお前がいないとダメだ」

そんなこときっとない。
陽介がいないとダメなのは俺の方だと思う。
今だって、陽介の言葉だけで俺の中身は
温まったり冷やされたり、悲しくなったり優しくなったりしてる。
果てはきっと、陽介の一挙手一投足で俺の全部が全く違うものに
変わってしまったりするんだろう。

それくらい俺の中身はお前で出来てる。
だから、きっとダメなのは俺の方。
お前がいなきゃダメなのは俺の方。

「悠?」
「いや、なんでもない……大丈夫、ここにいるよ」

『俺の明日、全部上げるよ』って俺は囁いた。
するとシャツを掴んだ手がゆっくりと離されて陽介と目が合う。
さっきの大泣きのせいか、それとも熱のせいか、大きな垂れ目がちな瞳は
涙で潤んでいて、俺はそれがまた愛しくて陽介の瞼にキスをした。

「でも、ホントはお前に頼りたくねーの……分かる?」
「それはダメ。却下」
「……だって、お前って際限なく甘やかすだろ?」
「うん、陽介だし」

何度も瞼にキスをすると、くすぐったいのか
目を細めてわずかに抵抗するから、俺は楽しくなってきて
また何度もキスをする。
すると陽介は再度それに手の平でやんわりと抵抗を示すと
俺の頬を両手の手の平で覆うと、それを見て太陽みたいに笑って言った。

「お前、きっとお粥とか作って食べさせてくれちゃったりするんだろ?」
「うん…ふーふーしてあげましょう」
「まだ熱あるかも……」
「タオル? 氷枕? それとも冷えピタ?」
「……台所にあるリンゴが食いたいよー相棒ー」
「ウサギでいいか? それも消化に良い様にすり下ろそうか?」
「風邪には、やっぱ桃缶とかさ……」
「もう買って来てある。黄桃と白桃とどっちがいい?」
「バカ…お前ってホント、バカ」

『この完璧主夫が!』って褒めてるのだか
けなしているのだか、微妙な表現なんだけどこれ以上ない程嬉しそうに笑って。
そして、そのまま小首をかしげると今度は困った様な表情で
俺を気遣いながら言った。

「じゃあさ……もし、俺が寝てる間ずっと手を繋いでてとか言ったら?」
「言われなくてもずっと繋いでる」

俺が即答してそのまま陽介の手を言った通りに繋ぐと
仕方ないなって苦笑いした陽介がふざけてまた返してきた。

「寝てる間もずっとだぞ?」
「うん、寝てる間も…許してくれるなら起きてる間も繋いでるよ」
「熱くねーか?」
「熱い。けど、陽介だし」
「……お前はホント過保護でどーしようもねーな」
「うん、陽介だからね」
「お前ってバカ……ホント、バカ……でもさ…」
「ん?」
「お前のそーいうとこが、すげー好き」

ニカって笑って言ってくれた言葉が俺の中に響いてこだまする。
繋いだ手が最初よりも更に強く繋ぎ返されると、
体熱の感触が俺を湧き立たせた。

ああ、やっぱり俺は陽介に弱くて、甘くてどうしようもない。
たった一言言ってくれた、この言葉さえあれば
俺はきっと何日看病したってギブアップなんてしないだろう。

それくらい俺の中身はお前で出来てる。
だから、きっとダメなのは俺の方。
お前がいなきゃダメなのは俺の方。

「俺も好きだよ。こういう風に誕生日に風邪ひいちゃう
    不運なとことか、心配性で要領の悪いところとか」
「おま…それ褒めてねーからな?」
「褒めてるよ? そういうところがすごい好きなんだ」
「ば、バカ……っ」

悪態をつき始めた陽介と自然と目が合うと、
その目は俺を見てまた嬉しそうに笑う。

「お前の存在がこの部屋に欲しい……傍にいて」
「わかった…いるよ、陽介の傍に」

俺がそう答えると、陽介は嬉しそうに笑いながら
目を閉じて眠りについた。


「眠ったか……?」

陽介は、先程より数段楽に呼吸をして寝息を立て始めるから、
俺は少しだけ安堵すると、汗で濡れた前髪を撫でた。

きっとこんな風に一生に一度の大切な記念である
20歳の誕生日に、真っ赤な顔して寝込んでいる人なんて
日本中探してもほとんどいないだろう。

こんな日は家族や恋人、友達同士で派手に祝ったりするんだろう。
沢山の御馳走やプレゼント、20歳だからアルコールも解禁だから
シャンパンなんて洒落たものも用意するかもしれない。

でも、陽介は寝込んでいて、それを俺は看病する。
もう、これ以上ないくらいにベタベタに甘やかして。

「ホント、俺はダメだな……」

そして明日、朝……陽介の目が覚めたら一番におめでとうを言おう。
こんなに不運で、心配性で要領の悪い、俺の大切な人の20歳の誕生日を祝おう。

そして陽介をこれ以上ない程、甘やかそう。

照れくさいのか、怒ったフリをした陽介が
いつも通り俺に向かって『バカ』って言ってくれるのが
何よりも嬉しいから。

どうせならいっそのこと、風邪が完治するまで
ベタベタに甘やかしてしまってもいいかもしれない。

「お前はきっと怒るだろうけどな……陽介」

ふと時計を見ると、もう深夜0時を過ぎていて
俺は時計と陽介を見比べ苦笑した。

「もう22日になったのか……20歳の誕生日おめでとう、陽介」

また明日、ちゃんと目を見て言うから。
そういって俺はまた瞼にキスをした。

だって、お前がいなきゃダメなのは俺の方だから。

だから、陽介をベタベタに甘やかそうと思う。
完治するまでずっと。
ダメだダメだって怒る陽介をなんとか説き伏せて。

お前の風邪を治すためと、俺がお前にそうしたいから。
お前がいなきゃダメだから。

「完璧に看病してみせるから期待してて」

俺は笑いながら、また瞼にキスをした。

「ああ…そうだ、家からプレゼント持ってこないと。」

陽介の目が覚めたら一番におめでとうを。
プレゼントを一緒につけて。

元気になった陽介が、また太陽みたいに笑いながら
俺の名前を呼んでくれる様に。

Fin














お疲れ様でしたー( ´ ▽ ` )ノ
もうホント;これだけは今の時間帯にUPしないと
意味がない創作だったので、慌ててUP;;

楽しんで頂けたら幸い。
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