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【うたかたの記憶】

言ってることと、やってることの違うサイトでスミマセン;
【うたかたの~】の続き~ 連載…ではない…ハズ;

記憶

噛み合わない会話

キス

な、感じで。
いってらっしゃいませ。

拍手[2回]









「て…」
 

「え? 悠?」
 

「だから、昨日に戻して」
 

「え? …何を?」
 


突然、俺は悠から出た言葉に、
自分の言葉を見失う。
 

まただ、また危ういお前が現れる。
なんの前触れもなく。
 

夕焼けが照らすこの場所で
まるで世界には俺達だけみたいな
感覚が背中をジリジリさせる。

 

 

 


数時間前…


やっと全員集まった鮫川。

みんなでひとしきり雪合戦ってヤツを楽しんで、
俺達は小休止のために、川岸から少し上がった
ベンチへと腰かけていた。
 

俺と悠が近くの自動販売機で飲み物を買って来て
それぞれに手渡すと、みんな何の気なしに
思い出話をするみたいにこれまでのことを話し始めた。
 

色々大変だったとか、
驚いたとか、怖かったとか
とりあえず『完二はすごかった』的な
ことで盛り上がる。
 

いつも通りの心地よい空間で
みんな笑っている中で
俺だけはなぜか悠を目で追ってた。
 

手に持った飲み物に口をつけながら
話し続ける様子に俺はぼんやりと
色々なことを思い出して。
 

わざと離れて座ったことを
若干後悔した。
 

もう少し傍でも良かったかも…とか
女々しい気持ちで。
 

 

その後、それぞれに解散すると、
自動的に俺と悠だけ残った。
 

懐かしさと、それ以上の寂しさを抱えた俺が
ふと隣を見ると、いつの間にか日は暮れていて。
 

悠が照らされていて、とても綺麗だった。
 

 

「陽介、なんかないかって聞いたよな?」
 

「え? あ、ああ…だな」
 


ふいに悠が切り出した。
 

何かしてほしいことないか?
二人きりの河原で俺がお前に吐いた言葉。
 

数時間前なのに、それは遠い昔みたいで。
 

きっと、俺はお前の中に俺を
残したかったんだと今更ながら考える。
 

そんな思案に沈んでいると
悠が発した言葉の最初を俺は聞き逃した。
 

「て…」
 

「え? 悠?」
 

聞き逃した言葉を聞きたくて
反射的に聞き返すと、悠は悔やむみたいに
ぐしゃりと歪んだ表情で俺へと笑いかけた。
 

 

「だから、昨日に戻して」
 

「え? 悠?」
 


突然、俺は悠から出た言葉に、
自分の言葉を見失う。
 

まただ、また危ういお前が現れる。
なんの前触れもなく。
 

夕焼けが照らすこの場所で
まるで世界には俺達だけみたいな
感覚が背中をジリジリさせる。
 


「昨日?」
 

「そう、昨日…」
 

昨日?なんでだ?
昨日はなんでもない日だった。
 

今年の初雪で。雪を二人で眺めて満喫して…
超寒かった…(まぁ、それはいいとして…)
 

んで、堂島家で夕飯をご馳走になって、
夜は寒いから鍋ってことで
4人で鍋囲んで…
 

そのまま一晩お世話になって
朝メシを二人で作って、菜々子ちゃんと
三人で食べて…で、鮫川来て。
 

雪合戦…して。
 

本当になんでもない日だった。
ここまでは……な、はずだ。
 


「昨日じゃなくてもいい…一昨日でも、
     一週間前でもなんでもいいから…」
 


俺が何もかもを止めたまま、
悠の顔を見ていると、悠が壊れるみたいに笑った。
 


「この雪は積もって・溶けて・何も無くなったら…時間が経つ」
 

「え? ああ…」
 

「この雪が凍っても、凍って氷になったとしても時間が経って…」
 


笑ってる。
息継ぎもしないで話し続けるお前は
笑いながら苦しんでる。
 

白い息がもくもく立ち昇って
視界を遮って…それでも、
もがくみたいな顔して笑ってる。
 


「悠…」
 

「時間は止まらなくて…時間が段々過ぎて……段々、お前が…」
 

「悠?」
 

「っ……だから時間戻して…頼むから」
 


止めた言葉の終わりを
俺は今度こそ聞くことが出来なかった。
 

聞きたいのに、隠された。
きっと一番大事な部分だっただろうに。
 

「出来るんだろ? 陽介なら…」
 

「で、出来るわけねーだろ! そんなの!」
 

「……そうか、残念」
 

自嘲気味に吐き出された言葉は、
お前の中身を少しだけ見せてくれただけで
それ以上は何もかもを隠して逃げた。
 

時間は戻せない…俺にそんな力はないから。
 

でも、お前が望むならそれを
叶えたいと思うんだ。
 

絶対に絶対に、出来はしないのに。
 

 


「なんて嘘だよ……言ってみただけ」
 


考え込んでしまう俺を見て
まずいと思ったのか、笑って誤魔化す悠。
下手な嘘。
 

滲むように沁みこんだ感情が
じわじわ俺たちを追い立てた。
 


「悠…お前、俺のこと嫌いなんだろ?」
 

「は? 陽介? そんなこと…」
 

「いやいや…っ…すげー嫌いなんじゃね? だってさ…なんかさ…っ」
 

振り回されるお前に。
今、俺がお前の中の
どこにいるか見当がつかない。
 

俺がお前にとってどんな位置に居る人間で、
どれだけお前が俺を許してくれてるのか
それだけが今の俺にとって一番重要で
知りたいことなのに。
 

わざと離れて座った距離より
何倍も何倍もそれは遠く感じて。
 

煙に巻く…いや、霧に隠れるみたいに
お前はいつも笑って動かない。
 

そんなお前を見るから、
俺は動けない。
 

 

「陽介……」
 

「嘘…ごめん…俺、バカだな…」
 


今度は俺が嘘を吐く番。
 

動けない俺がモタモタしていると
悠は抱きつくみたいに覆いかぶさる。
 

そして、優しく茂みへと押し倒して視線を合わせた。
 


「わわ!! …ゆ…っ…」
 

「いるし・欲しいから・全部」
 


悠からの言葉に俺は頭が真っ白になって
今度は俺が息継ぎを忘れる。
 


「欲しくて・苦しい・だから…」
 

 


嫌いじゃないから…
 

そう囁かれた。
 

俺の鼻先と悠の鼻先が
撫でるみたいに触れた瞬間、
全部を持って行かれるみたいに
キスされた。
 

茂みに隠れて見えないのか、
辺りにいたはずの
人たちは誰も騒がない。
 


「っ……ゆ…ぅ……」
 


慣れない感触に俺が喘ぐと、
我に返った様に唇を離した。
 


「っ…ごめん…陽介…」
 

「っ…悠?」
 

「ごめん…忘れてくれ……っ」
 

むさぼるみたいなキスをくれたのに、
我に返った途端、お前は遠くなって体ごと離れた。
 

離れたお前の体は、一気に土手を駆け上がると言う。
 

 

「帰るよ…俺、用事を思い出した」
 

「っ…うそつけ!!」
 

途端叫んだ俺の声を
目を細めて見ると、悠はまた
壊れるみたいに笑って言う。
 


「ごめん…陽介……ごめん、俺どうかしてる」
 

「俺、忘れねーから…っ…だから…」
 

「いいんだ…もういい…」
 

「よくねーって!!」
 

俺は自分でも驚くくらいの早さで
悠へと距離を詰めると、
胸倉を掴んで睨みつける。
 

甘くなくなった距離を
詰めた途端、無力感がひどくで
弱くなった涙腺が決壊しそうになる。
 

掴んだ服の感触が
突き放すみたいに冷たくて呻いた。
 


「俺、忘れねーから……っ」
 

「……ごめん、本当に」
 

『忘れて、頼むから』なんて言う。
違う、そんな言葉が欲しいんじゃない。
 

『頼む』なんて言われたら
俺はどうすればいいんだ?
忘れるなんて出来ないのに。
 

俺の言葉から逃げるみたいに
悠は掴まれた服から俺の手を
振り払って走り出した。
 

弱くなった涙腺はお前が
俺を振り払った途端、
あっけなく決壊して壊れる。
 


「っ…悠! 待て…行くな…っ」
 

置き去りにされた俺は
お前を追いかける力を出せなくて。
それどころか、膝はガクガクと
震えてその場に崩れ落ちた。
 


「なんで……っ……悠…なんで…っ」
 


崩れ落ちた俺は、お前を追いかけられないまま
地面へと手をつくと、枯れたような声で叫んだ。
 


「忘れろなんて言うなら、なんでキスしたんだ…っ」
 


忘れられるわけもない。
記憶が刻みつけられて、
まるで傷痕みたいに残る。
 

 

俺の初めてのキスは
苦くて、悲しくて。
 

忘れられない記憶の傷痕みたいに
俺の中に残った。
 


to the next…
 












言ってることとやってることが違い過ぎて
なんか頭痛くなってきた…;;;
すす、すんません;;;

なんかまた連載かよーみたいな。
ホントだよ;;まったく;;;

楽しんで頂けたら幸い。


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