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【君は僕の宝物】

やっとやっとの予定消化ー;;
陽介に甘過ぎる?センセイを思って
もだもだする陽介です~

甘やかされてる

ちゅー

もっと酷いこと

な、感じで。
いってらっしゃいませ。

拍手[1回]


悠、お前は一体誰だ?
なんてバカなことを
寝てるお前に聞く。





事の始めは数十分前に遡る。


「だ、ダメだんな!」

「はいはい」


『はいはい』ね…
お前はいつもそうやってはぐらかすけど、
そのはぐらかした中に、もしかしたら
俺には伝えられない内容とかさ、あるのか?

いつも一線を越えようとすると
拒む俺に、悠は驚くくらいの
物分りの良さで、手を止める。

そして、今は深い眠りの中…
まるで何も無かったかのように。

それが俺には少しもどかしい。


今日は休日…お前の部屋で二人きりで
ごろごろしながらなんだかんだと
話していたら、お前はいつの間にか寝ていて。

俺はお前の部屋に二人で居ながらも
独りぼっちですよ。

寝顔を見ながら俺もごろごろするんだけど
なんか落ち着かなくて、お前の服とか
髪とか色々なもんに触ってみる。

なぁ、お前ってなんなんだ?
俺さ、毎日お前のことばっかりなんだけど?

そんなしょーもないことを考えながら
悠の前髪に触れると、予想通りさらさらした
感触がこそばゆいほど伝わってきた。


「なぁ…悠…起きろよ」


寝顔独り占めーなんてちょっと思ってたけどさ、
やっぱり起きてるお前に会いたい。


「悠…起きて俺にちゅーしろ…今すぐ」


いつもは絶対に言えない言葉を繰り出すと
俺の肩口が反射的にビクリと動く。

ギリギリの距離で近寄って
触れて、撫でて、慌てて遠ざかる。
それを繰り返す毎日で。



「俺ってずりーよな…」


お前から与えられる好意に
俺は頭のてっぺんまで浸かっておきながら
肝心なトコじゃ逃げたりして。

それでもお前が俺を甘やかすから
どーしようもない俺は、それにいいように甘えてる。


優しい言葉に、優しい素振り。
優しく触れてくる指に、俺を好きだと言ってくれる声。

悠の性分なのか、色々とちょっかいを出されたりはするけれど、
最終的に俺が嫌だって言うことは絶対にしない。

大事にされてるのは分かるんだけど、
もしかしたら、それほど俺のことが好きじゃないのかも?
なんて…バカなことを考えたりもする。


俺だったら、どうしても欲しいなら
食い下がってでも…ってあるのに。
悠は俺が少し震えただけでも
手を止めることがある。


まるで壊れ物に触れるみたいに俺に触れる。

その度に思う。
俺のことはそれほど欲しくないんじゃないか? って。

そんな関係が、もどかしくてたまらないから
俺はお前からのサインを待って
俺が耐えうるギリギリの所で
お前を拒否る…それでまたお前が手を止める。

そんなどうしようもない、
俺の我儘を積み重ねて繰り返す関係を続ける。

俺って結構…かなり、酷いヤツなのかもしれない。


「悠…ちゅーしようか?俺から……」


普段じゃ絶対言えないどころか、
もしかしたら気恥ずかしくて
一生言えないかもしれない
言葉を投げてみた。


「俺さ……好きだよ…お前が」


嘘じゃない…本当に。
そりゃ、よく逃げるけどそれは俺なりの
愛情表現ってことで許してくんないか?

だからさ、いい加減、目…覚ましてくんないか?
俺、独りに負けそうだ。
寂しくて泣きそう……なんて、起きてたらぜってー言えないけど。


お前が寄せてくれる好意は
俺にとっては初めてづくしの展開で。

面喰うことばかりなんだけど、
決して嫌とかでじゃなく
気恥ずかしいとゆーか…なんとゆーか。

だから真正面から受け止めるには
まだまだ俺の中の準備とか心構えとやらも
全然出来ていないから。
結局、最後にはお前をガッカリさせるんだ。


「ガッカリでごめん…」


逃げるくせに、俺はお前が知りたくて
お前の体温で安心したくて、また近寄る。

お前のことはなんでも分かりたいなんて
そんな途方もないこと、
実は結構思っちゃったりしてるんだけど。

それは、俺達が別々の人間である限り
きっと絶対に出来ないことで。

それが俺には、やっぱりすごく
何よりももどかしい。

きっと俺の中身は
独占欲と同じくらいの臆病さで溢れてる。

お前、嫌じゃねーの?
こんな俺は。

心の中で唱えながらも、ひとつ息を吸って
実際にその言葉を吐いた。



「お前、嫌じゃねーの? 俺のこと…」


ワザと言葉にしてみたら
俺は俺自身が情けなくて仕方なくなってくる。

俺だったらいい加減、
堪忍袋の緒ってヤツが切れる頃だ。

そもそもが男らしくないとゆーか…
う…やっぱ、ガッカリなのかな…俺…

涙腺が緩んで決壊しそうで、
それを止める為に唸る。

喉の奥から出てくる、
聞いたこともない無様な声で
俺が唸る。

すると前触れもなく、
まるでヒーローが助けに来たみたいに
隣の悠が起き上がるのが見えた。


「嫌じゃないよ?」

「うお?! なななな…っ…って、起きて…た?!」

「今、起きました」


悠はまるで流れるような動作で
起き上がると、当たり前みたいに俺へとキスをした。


「な…?! …お、おま…」

「ちゅーしろって言われたから」

「ば……バカ…っ」


聞いてたのか?! つーかいつから起きてた?!
とかとか…色々いいたいことはあるけど。

そんな俺の中の色々な何かをぶっ飛ばすくらいの
唐突な言葉を悠は発した。


「可愛い…」

「は?! なに?! それ?!」

「いや、だから可愛いって」

「い、いや…だから…悠…か、可愛いって…なんなのその…」


俺がどもると、悠は途端考え込むような仕草をして
口に手を当てると、ワザとニヤリと笑いつつ言った。


「そうか…可愛い可愛い俺の陽介は、
   俺とキスがしたくて仕方がないんだな?」

「は?! なな、なんでそーなる?!」

「いや、なんかこだわってるみたいだったから?」

「そ、それは……その…」


そ、そりゃ『ちゅー』とか言ってましたよ?
言ってました…けどね。


「流石にあんなに、ちゅーちゅー…言われるとさ、
     俺も一応、健全な高校生男子なわけだし…」

「ううぅぅ…」

「なんかもう…陽介を見ているだけで
      ムラムラと色々沸き立つというか…」

「お、おま…それちげーだろ!
   んなわけあるか! こ、この変態!!」


いつもの通り俺は悪態をつく。
すると悠と目が合って、
悠はとても機嫌よさそうに笑うから
俺は肩口に何か甘ったるい感覚を覚えて
不自然にまた唸る。

なんか悔しい…いつもこうやって甘やかされて。
お前の好意にずぶずぶ浸かって、その中でふわふわ浮かびながら
いい気になってる俺がいる。

対等で居たい。
そんな言葉を吐いたのに、結局は
俺だけが甘やかされているみたいで
悔しくて仕方ない。

俺だって…! お前の欲しいもの与えられるんだ! みてろ!
そう思った途端、口からはドモリまくった末の
意味のわからん言葉が吐き出された。



「そそ、そんなに言うなら…っ」

「ん? 陽介?」

「そ、そんなに言うなら……お…俺…から
    ちゅーする…から……みみみ…みとけ…っ」

「は? …え?」


ごめん…悠。
俺もよくわかんない。
つーか、俺…なんでそーなった?


沢山のはてなマークが頭の中に浮かび上がる中、
引っ込みのつかなくなった俺は胸いっぱいに息を吸い込み
ぎゅっと目を閉じて突き進むと、そのまま悠の顔面へと突撃する。


「「?! …痛…っ」」


途端、ガツン! と鈍くぶつかる音がして、
結果は当たり前といえば当たり前で。

それは俺と悠の顔面が
音を立てて激突した音だった。


「うー…や、やっちまった…」

「陽介……お前…」

「う…うぉ…悠?」

目を開けると機嫌を害したような
表情の悠…とゆーか…お、怒ってません?
お、怒ってますよね? 悠さん……

悠はじろりと視線だけで俺を見ると
ため息をつきながら言った。


「なんで“する方”が目を閉じるんだ?
      これじゃあ、頭突きじゃないか」

「う! すっすす…すみません…」

「大体、目を閉じてどうやって狙いを定めるんだ?」

「すすっ…すみませ……って、ね…狙い?!
  え? つーか、お前はいつも目開けてんの?!」


俺が悠の言葉に慌てて返すと
ニヤリと笑って返してくる。


「よく見てるよ? 陽介の顔」

「ひぇ……こ、この…っこの…っ」

「さすがにしてる最中は目を閉じるけど…」


慌てたままの俺の頬を
白い指で撫でるともう一度お前は笑って。

それはいつもの光景で
それに俺はついつい安心してしまう。

近くて遠い距離が何よりもどかしいのに、
まだまだこの距離が愛しいなんてバカだ俺は。

俺が真っ赤な顔色のまま目を細めて考え込むと、
悠は慌てたような表情で、でもゆっくりと近づいてくると
さっき頬を撫でた指のように、優しく囁いた。



「大丈夫だよ、陽介の嫌がることはしないから」


優しい瞳で、お前がくれた言葉に、
俺は顔を上げてその瞳の中を見る。

なんとなく分かった気がする。


優しい言葉に、優しい素振り。
優しく触れてくる指に、俺を好きだと言ってくれる声。

優しい優しいお前の全部。

その全部が大切で、全部を漏れなく欲しいんだけど、
とめどなく求めてしまったら強欲だと
失望されるような気がして。

なんでも許してしまったら
すぐに飽きられてしまうような気がして。

だから俺は、お前に一歩踏み出せずにいる。
そのくせ踏み出せないからもどかしくて、
近いんだけど遠くて、それがとても不安になる。

やっぱバカだ…俺。




「そんなの…っ…いっそもっと
 酷いことしてくれちゃってもいいっつーの…っ」


『お前なら…』って、『どうにでも』って、
俺はまた、バカみたいに後先考えずに言葉にする。

そんなもがくみたいに漏れ出た声が
意味を持った音で悠に届くと
お互いの視線が自動的に合う。

悠は見たこともないくらい目を見開くと
途端何かに追い立てられるみたいに呟いた。


「ダメだ…」

「な?! んでだよ…っ」

「とにかく、それはダメだ…」

「だ、だからなんで…」


なんでだよ…俺の全部が拒否られたみたいで
ぐしゃぐしゃにされたみたいに傷ついた。

お前はやっぱ、俺いらねーの?

お前から拒否られるなんて思っていなかったから
心の準備ってヤツが出来てなかったのか
みっともなく食い下がった。

そんな俺をみて悠は申し訳ないような
表情でこっちを見ると、自嘲気味に笑った。


「止まらなくなる、きっと」

「う……え?」


そ、それは困るかな…。
腕力で勝てそうにないので…。
ち、違う!そーじゃなくて…


「それに…酷い事、したら泣くだろ? 陽介は」

「は?! な、泣かねーっての!」


泣くってなんなんだ?
男だぞ?! 俺は!

そう俺が言うと、
飽きれたような表情で俺を見る。


「陽介、怖がりだし涙腺弱いから…」

「っ…るっせー!」


俺は男なんだし、
ちょっとくらい信用して
くれたっていいじゃねーか!

『いいのか?本当に?』とか
『いいって言ってんだろ!』とか
いつもの売り言葉に買い言葉的な調子で
話し続けると、途端やる気スイッチが入ったのか
悠が俺へとにじり寄ってくる。



「じゃあ、少し辛いから覚悟して」

「おお! 来い! って…つつ、辛い?! 辛いってなんだよ?!」

「言ったら意味が無いじゃないか」

「そ、それにしたってだな!」


途端、みっともなく騒ぎ出す俺をみて
小さく溜息を吐く悠。

辛い?辛いってなに? つーか、なにされんの?俺は。
今更の心配に俺がオタオタしていると悠は俺へと
一気に距離を詰めて来た。


「わわ…ちょ、ちょっと待てっ! やめ…っ」


俺が目をぎゅっとつぶって
悠の胸を押す形で腕を突きだす。

悠の次を止める為に咄嗟にそう叫んで動くと
悠は手どころか全部を止めて、
また優しい表情で仕方ないなって感じで笑った。



「嘘…しないし、出来ない」

「悠…?」

「泣かせたくないし、笑っていて欲しいし
 そして、誰より幸せでいてほしい…だから出来ない、酷いことは」


そういってお前が俺に笑いかけた。
そんな言葉、初めて貰ったから
俺の中身は真っ白になる。


大切にされてる距離がもどかしいなんて
贅沢だって分かってる。

壊れ物の様に扱われてるワケじゃない、
大切にされてるだけ。

いらないワケじゃない、欲しいから
俺より臆病になってしまうだけ。

それらはもしかしたら、俺が考えているより
全然余裕の無いお前の『留め金』ってヤツで。

俺自身がお前の『留め金』ってヤツかもしれなくて。

だから俺は、お前から大切に扱って貰えてるんだと。

それくらい…その…お前に愛されてんだと
それだけには、自惚れていいんじゃないか?と
なんとなくだけどそう感じて。


「な、なんでそんなに大事にしてくれんだ?」

「……俺が陽介を選んだ理由言ってなかったか?」

「え? そ、そんなん聞いたことねーよ!」


悠が周りの魅力的な異性より
俺を選んだ理由は実は今でもよくわからない。

気が付いたら隣にいて
こういう風? になってしまっていたから。
なんでどうして選んだか…なんて
聞いた覚えも、それこそそんなの身に覚えもない。

俺が眉を寄せて怪訝な顔をすると
悠は呆れたように溜息を吐いて言った。


「いつも言ってるじゃないか……」

「だ、だから言われてねーって!」


ちゃんと聞いてなかったな。って呆れた顔をされたけど
俺は逆に怒って、言われてねー! 身に覚えねーし! と返す。

だって、そんな大事なこと言われたらきっと忘れない。

それこそ、今あるバカみてーな
不安とか全部無くなるくらい劇的な威力があんだろ。
その理由ってヤツには。

俺が不貞腐れてあぐらをかいて座ると
悠はそれを見て困ったような表情で小さく笑って言った。


「だから……『好きだよ』って言ってるじゃないか」

「は?! え?! そ、それ?!」

「うん、それ」


理由といえばそれは明確な理由で。
小難しいどこがどうとか
なにがなにやらとか、色々な何かが
全部吹っ飛ぶくらいの絶対的な理由。


『好きだよ』って、言葉。


そーいや…言われてたな。
結構、しょっちゅう…つーか、今も。

俺は今更のように気づかされた
悠の赤裸々な心の中を垣間見て
脳みそが溶けそうなくらい甘ったるい気持ちになる。


「言われてた…そーいえば」

「ああ、だろ?」

「うん…すげー言われてた」


すげー言われてました。
それこそ結構な頻度で。
みるみるうちに俺の全部が
お前好みの色に染まってくのが分かる。

くっそー…ぜってー今、笑ってる…つーか、喜んでる。

悔しさと嬉しさと複雑な色々が混じった目を
恨めしそうに動かして悠を見ると
予想通りの甘ったるいまなざしで
俺を見ている瞳と会った。


「陽介……なにニヤニヤしてるんだ?」

「ば、バカ! してねーっつーの!」

「嬉しいのか?」

「ば、バカ…っ」


そんなの嬉しいに決まってる。

『好きだよ』って、思えばすげー口説き文句。
それだけで『君の全部下さい』な
俺への絶対的なオーダー。


「陽介、陽介…」

「ん? な、なんだよ?」

「陽介に、ちゅーしていいですか?」

「ば、バカ…っ」


そんなの聞くな! 恥ずかしーっつーの。
そんなの全然OKに決まってる。
それでもまたお前は笑いながら言う。


「好きだよ、陽介」


それはまるで魔法の言葉みたいで、
俺はまたニヤニヤしてしまう。
そんな俺を見て、ご満悦なのか
またニヤリといつもの様に笑うと
この上なく爽やかに宣言した。


「とゆーわけで、陽介にべろちゅーします」

「は?! ちょ…おま…っ…待て!
   べ、べろちゅーは…その…こ、心の準備が…っ」

「ちょっとくらいなら酷いことしていいって、
           陽介が言ったんじゃないか…」

「そ、それとこれとは…って、その前に俺の答え聞けっつーの!」

「はいはい」


『大丈夫、怖くない…酷いコトはしないから…約束する』って
悠が優しく囁くから、俺はまた甘やかされてる
悔しさとか嬉しさとか色々混じってしまって。


「ち、違…っ…だ、だから…俺も…っ」

「ん?」

「俺も……」


でも俺からの伝えたい言葉だけは
とても小さい言葉でそれは囁くようだったけれど、
なんとか悠へと伝えられて。

俺は目がくらむくらい深くて甘い
悠からのキスの最中、途切れ途切れの意識の中で
俺の言葉を聞いた悠が嬉しそうに笑うのを
ただただ、幸せな気持ちで見ていた。


Fin
 









MYお題はもだもだする主花(苦笑)
陽介はいざとなったら臆病だから
結構センセイ苦労するのかなーとか思いつつ…(苦笑)
センセイ! 頑張って!(笑)

楽しんで頂けたら幸い。




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