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【君と将来の約束を】

6月的ネタ(笑)完二視点。


指輪

全くその気は無い

公開プロポーズ

な、感じで。
いってらっしゃいませ。

拍手[7回]
















ギラギラと照明がうっとおしいダンジョン内。
オレは先輩ら二人、鳴上先輩・花村先輩と
レベル調整の為、探索を続けてた。

 

「完二ーちょっと休憩してこーぜ」


「うーす」


「陽介、アイテムちょっと整理しないか?」

 

そんな中、小休憩で立ち止まった一角で
アイテムの整理をしていた鳴上先輩が
小さな指輪を取り出して
花村先輩に聞いてきた。


「陽介、この指輪ってどうする?」


「ああ、装備外した時のなーどうすっかなー」


見ると本当になんの変哲もない
シルバーの指輪。
どうやら花村先輩のらしいけど
そーいや花村先輩付けてたのか?
って位の記憶しかねー。

鳴上先輩が花村先輩へと手渡すと、
それはギラギラした照明に鈍く光った。

 


「そうだ!悠、お前にやるよ」


「え?いいのか?」


突然の提案に驚いて『大事なものじゃないのか?』と
問い掛ける鳴上先輩に
花村先輩は『別にそこまでのもんじゃねーし』
と、笑いながら手を振ると
まるで物凄くいいことを思いついた風に
指輪を差し出して言った。


「よし!俺が着けてやろう!」


「え?」


「ほれほれ!手貸してみ?」


そういうと、花村先輩は鳴上先輩の左手を取って、
微塵の躊躇もなく薬指へとソレを嵌めこむ。

その途端、鳴上先輩の動きが止まった。

 

 


「………よ…陽介…」


「お!すげーぴったりじゃん?意外と似合うし!
  俺とゆー相棒からのプレゼントだからな!失くすなよ!」


「……花村先輩…」


「え?なに?な、なんだよ?二人とも変な顔して」


「……………………」


「多分…何も考えてないっスね……この人…」

 

俺と鳴上先輩が深く深く溜息を吐くと、
俺達を交互に見回した花村先輩が
驚いた表情になる。


「先輩、大丈夫っスか?今日はもう止めにしますか?」


「ああ…悪い完二…そうしてくれ」


「了解っス」


「え?な、なんだよ??」


オレが鳴上先輩へと問いかけた言葉に
さらに目をきょろきょろさせた花村先輩。

鳴上先輩はまだ分らないのか?
といった表情で遠くを見ると
ぼそりと呟いた。


「陽介のせい……」


「そーっスね…花村先輩のせいっスね」


「え?えええええ?!」


「な、なんでだよ!!」


「なんかもう、戦闘に集中出来ないかもしれないな…」


「そーっスね」


オレ達の会話を見て、
目を白黒させる花村先輩。

オイオイ…流石に男だっつったって
これくらいの話題はわかんだろーが。

オレが不審そうな顔で花村先輩を見ると
鳴上先輩がなんとも言えない様な表情で笑いながら
花村先輩へと言った。


「陽介…公開プロポーズって意味分かるか?」


きょとんとする表情。
ニヤリと笑う鳴上先輩。
言い得て妙とゆーか…その通り。

 

「へ?う…え………い、いやあああ!!」


途端、花村先輩の声が
ダンジョン内に響き渡る。
顔全体を手で覆って奇声を上げると、
急にオレの方へと向き直り叫んだ。

 

「か、完二忘れろ!今すぐー!!」


「ハイハイ、了解っスーじゃあ、式には呼んで下さいね」


「勿論だ、完二…お前にはウエルカムボードを頼みたい」


「了解っスーじゃあ、オレンジ色で」


「ぎゃああああ!ちょ…なにそれ!
     何がウエルカムなんだよ?!」


ニヤリと笑った鳴上先輩が
半分意地悪だろうけど、オレへと言った言葉に
花村先輩が過剰に反応する。

 

「ちょ…俺を置いて話しを展開しないだげて!!」


「当たり前だ。むしろお前が中心だよ…陽介」


「そーっスね、ど真ん中っスよ」


「ぎゃああああ!」

 

何が「ぎゃあああ!」なんだか…

オレと鳴上先輩がやれやれといった感じで
花村先輩を見ていると、いくらか
正気?を取り戻したのか、真っ赤な顔のまま
弁解しようとなんとか悲鳴以外の言葉を喋り出した。

 

「だ、だから…ちげーって!そういう意味じゃ!」


「そうか、やっぱりその気はないのか…
          俺…すごい弄ばれたな…」


「そうっスね…酷いっスよ…花村先輩」


「な、なんで俺怒られてんの?!
   つーか、悪気ないんだしいーじゃんか!」


「…………………」


「悪気無い所が更にヤバイっスよ…」


「そ、それは……と、とにかく!ちげーんだって!
 そういうつもりは 全然 全く これっぽっちも ねーし!」


「ちょ…花村先輩…っ」


「マジでねーんだって!!本当に…だから…っ」


「陽介…………」


「全く無い」なんて言葉を叫んだ
花村先輩の言葉を制しようとしたが
時すでに遅し。

うつむきながらも叫ぶ花村先輩を見て
鳴上先輩は小さく溜息を吐くと、
らしくなく眉根を寄せて考え込むと
踵を返して歩き出した。

 

「いいよ陽介…その気はないんだろ?もういいって」


「え?ゆ、悠…????」


「…………」


珍しい…この人が拗ねるなんてことがあるんだと
俺は目を点にして見守った。

そのまま、まるでやっけぱちみたいに
鳴上先輩は歩き続ける。

花村先輩はなんとなく気がついたのか、
目に見えてオロオロすると
恐る恐る腰が引けつつも
『リトマス試験紙』になりに行った。


「ゆ、悠…あのさ…」


「なんだ?」


「な、なんか怒ってません?」


「怒ってない」


そう、怒ってない…いや…
そりゃちょっとは怒ってるかもしんねーけど
拗ねてるだけっスよ…花村先輩。

なんでそこんとこがわかんねーのかな?この人は。

その間もずんずんずんずん通路を進んで行く鳴上先輩。
オレだって追いつくのがやっとなのに、
花村先輩は自然と小走りになっていた。

なんとか鳴上先輩の方から
折れてやってくれりゃいいんだろーけど…
その気配は全く無いと来た…
ああ…もう…

ほらほら…花村先輩もうちょっとで
メギドラ●ンじゃなくて…
色々ヤバくなるからさっさと謝って…


オレがそんなことを考えながら歩いていると
鳴上先輩は小走りに追ってくる花村先輩の姿を
横目でチラリと見ながら、
何かを考え込むようなフリをし、次を言った。

 

「ちょっとガッカリしただけだ…流石、ガッカリ王子だな」


「う…………」


「ま、まあまあ…先輩ら、ちっと落ち着きましょーや」


ああ…トドメの一発…
さっすが容赦ねぇ………

この間の菜々子ちゃんからの電話を邪魔した
シャドウへのメギドに似てる…


オレがそろそろヤバイ空気を感じ取り
なんとか助け舟を出そうと切り出すと、
溜息の様な小さな声で鳴上先輩が呟いた。

 


「もういい…これ…返すよ、陽介」


「え?ちょ…」


鳴上先輩がふいに足を止め、
疲れたような表情でこちらへと振り返りつつ
指輪を指から引き抜こうと右手を指輪に掛けると
それを見た花村先輩が飛び掛るみたいに
その手を取って言った。

 


「だ、だめだめ!だめだっつーの!外すな!
       こ、ココ予約!そうゆーことで!」


「は?予約?」


その言葉に鳴上先輩の動きが全部止まった。
その表情はこちら側からは見えないけれど
なんかもう、背中が語ってる。

こう…なんかこう…

 

「陽介???」


「だ、だから…その…予約したから…っ…悠の…」


「うん…予約………??」


見つめる鳴上先輩に
その目にたじろぐ花村先輩。


「い、今じゃねーけど…その…予約ってことで…その…」


「うん…」


「いつか…絶対だから…その…っ」


「うん………」


花村先輩は鳴上先輩の手に触れながら
顔を真っ赤にしつつも
じりじりとしながら次を言った。

 

「そ、そう予約だ!予約!予約!だ、だから
    俺以外のはぜってーダメ!いいか?悠!」


「うん……判った」


嬉しそうな鳴上先輩に
やり遂げた感でドヤ顔の花村先輩。
な、なんなんだ?コレ…。

完全に置いてけぼりを食らったオレは
呆然と二人を眺めながら
この状況を見守った。

 

 

「悠、ごめん…俺、迂闊だった!」


「いいよ、俺も大人気なかったし」


目の前で手を合わせ謝る花村先輩を見て、
笑顔で返す鳴上先輩。
そんな優しい表情を見て安心したのか、
花村先輩は鳴上先輩へと抱き付く。

 

「悠ーーーーーーーーーーー!!」


「陽介…」


抱きついて来た花村先輩へと胸を貸し
優しく頭を撫でるその姿は
相棒ってよりオカン…………

この二人は面白いつーか…なんつーか……


とりあえず、オレは目の前のむず痒い光景を
見て見ぬフリをして滅多に使わない携帯を
それとなくいじっていると
鳴上先輩がひとつ咳払いをする。

 

「で…陽介、もう一回聞くけど…」


「ん?悠???」


鳴上先輩が花村先輩へとにっこりと笑う…
文字で表記すると『わざとらしい』笑顔で笑うと
花村先輩へと問いを投げた。

 

 


「陽介…公開プロポーズって意味分かる?」


「へ?…………ぎゃあああああ!か、完二忘れろーー!」


「ハイハイハイハイ」


再び響き渡る声。
今度こその公開なんとやらに
花村先輩は顔を真っ赤に染めて騒ぎ、
鳴上先輩は笑う。

この相棒同士の掛け合いは
きっとこんなことを繰り返しながら
延々続いていって、
タイプが違う二人が噛み合わない部分を
補い合いながら、さらに延々続く。

なんか編み物の教本みてーだな。
あの螺旋状の編み目からは
おおよそ想像もつかない出来上がり。
まぁ、それもおもしれーんだろうな。


「まぁ…先輩方がいいならOKなんじゃねーっスか?」


公開だろーが、非公開だろーが
きっと二人の気持ちは
微妙に食い違いながらも
本当のとこ、根底は繋がってんたろう。


相棒か…言い得て妙。

この二人の関係は
まさにそんな風だと思った。



Fin







とゆーわけで、6月的なネタ。
そのまま二人で指輪選びに行ったらいい!!(笑)

ああ…でも、なんか偽物完二に;;:
しかも微妙に意味わかんないな;;
書き直してたらスミマセン;

しかも物凄い眠くて……(殴)


楽しんで頂けたら倖い。

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